株価を決める要因はなに?

目次

 

佐藤真理子

株で稼ぐ際の基本は、株を安く買って高く売ることです。では、そもそもなぜ、株は高くなったり安くなったりするのでしょうか。

 

これまでに『株式投資のメリット』や『株式投資のデメリット』を解説してきましたが、この記事では株式投資をスムーズにはじめるために、どういう理由で株価が動いていくのかを分かりやすく解説します。

 

 

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株価を決める要因はなに?

 

 

 

なぜ株価は上がったり下がったりするの?

株価上下の原因は需給のバランスにあります。

 

物の値段というのは、需要と供給のバランスによって決まりますが、これは株でも同じ。

 

株価も、需要と供給のバランスによって上がったり下がったりします。

 

株の場合、

 

  • 『株価が今よりも値上がりするだろう…』
  • 『株価が今よりも値下がりするだろう…』

 

という2つの思惑から人はそれぞれ売買の注文を出しています。

 

売りたい人の株数よりも買いたい人の株数のほうが多ければ、必然的に株価は高くなります。

 

反対に、売りたい人の株数が買いたい人の株数を上回れば、株価は下がっていきます。

 

つまり、需要である「買い」が供給である「売り」よりも多くなれば値上がりし、反対に「売り」が「買い」を上回れば値下がりするということ。

 

株の需要と供給は、株価を「割高だからそのうち安くなる」と考える人が多いか、反対に「割安だからそのうち高くなるだろう」と考える人が多いかによって決まってきます。

 

株価の需給バランス

 

物価がいずれ上昇する、もしくは下落するという投資家の予測は、数えきれないほど多くの要因が重なって生み出されます。

 

 

株価を動かす要因はなに?

株価を動かす要因は「株式市場全体に関係すること」と「その企業自体に関係すること」に分けることができます。

 

詳細は以下の通りです。

 

株式市場全体に関係すること
  • 金利や為替:低金利だと株式投資の人気が高まり、株価が上昇するケースが高い。
  • 政治:政治不安は相場全体の低調を招く。政治家の発言にも要注目
  • 国際情勢:株式市場もボーダーレス化の時代。海外での戦争など、海外のニュースにも目を光らせる必要がある。
  • 天候など:猛暑と冷夏では株価に大きな違いが。自然災害も株価と無関係ではいられない。

 

その企業自体に関係すること
  • 業績:投資家は業績から企業の成長性を読む。業績は直接的に株価に影響する。
  • 経営戦略:その企業の経営戦略は将来を占う。期待が持てそうなら株価はアップ。
  • 新製品、新技術の開発:新しい市場を作り出すような新製品、新技術が投資家に与える期待感は計り知れず。
  • 人気やブランド力など:同じような機能の製品を提供している企業でも、ブランド力の有無によって株価が異なる。
  • 業界の動向
  • 消費者の信用を失う不祥事、うわさ

 

 

など、多くの要因が複雑に組み合って投資家の売買心理に影響を与えています。

 

例えば、「A社が自社工場を売却した」と聞いて、あなたはどうとらえるでしょうか?

 

『よほど経営が苦しいのだろう』ととらえる投資家もいれば、『事業資金も手に入るし、ムダな経費が削減できるから業績が良くなるだろう』ととらえるか人もいるかもしれないですよね。

 

このように、受け取り方次第で売買の判断も異なってくるというわけです。

 

ポイント
  • 株価は需要である「買い」と供給である「売り」のバランスで動いている
  • 業績から政治・国際情勢まで需給に影響を与える要因は多彩

 

 

 

株価が上がるときは一体どんなとき?

佐藤真理子

それでは次に、株価が上がる理由をみていきましょう。

 

先ほどの説明の通り、基本的に株が上がって行く状態というのは、買い手が多い、つまりはその株は人気が高い状態です。

 

具体的には以下の通りです。

 

  1. 業績が好調である
    業績が伸びていて好調な企業であれば、利益を生みやすい状態にあります。配当金が増えるかもしれないという投資家の期待も高まり、その企業の株を買う人が増えるため、株価は上がっていきます。

  2. 業績の見通しを上方修正した
    見通しを上方修正するというのは、具体的には「会社側が当初に思っていたよりも利益が出そうですよ」という報告です。この際も株価が上がります。

  3. 復配・増配をする
    「今期は配当金を出します」または「前回より配当金を増やします」と発表したときに株価が上がります。復配(配当が復活する)や増配は、業績が好調の証ですから当然ですね。

  4. 新製品の発表・新しい工場の建設など
    新製品を発表したり、施設を増設することはリスクはありますが、利益を増やすきっかけにもなります。これらの施策によって利益が増えると投資家が判断した場合、株価が上がります。

  5. 合併・買収
    企業の合併・買収(M&A)により、企業間の相乗効果が出て、企業価値が上がると投資家が判断した場合は、株価が上がります。

  6. 割安株の修正
    割安に放置されていた株が、とある出来事をきっかけに株価上昇が起きることがあります。とある出来事というのは、上の1~5の理由もそうですし、東証2部から東証1部へ市場変更することを発表して、たくさんの投資家の目に触れた時にも株価が上がることがあります。これまでマイナーだった株がメジャーデビューするといった感じです。

 

株価の上昇に繋がる要因はこの他にもたくさんあると思います。

 

株価が上がったときは、なぜ上がったのか、上がった要因を考える癖をつけてみると、自身の株価に対する反応の精度が上がるはずです。

 

株は買ったままにせず、常にチェックして、株価の動きと起きた出来事を確認するようにしましょう。

 

 

株価が下がるときは一体どんなとき?

次に、株価が下がるときはどうでしょうか。

 

株価が下がるのは、株価が上がるときの要因と逆のことが起きたときというのは想像がつきますよね。

 

基本的に株が下がって行く状態というのは、売り手が多い、つまりはその株は人気が低い状態であるといえます。

 

具体的には以下の通りです。

 

  1. 企業業績が悪化・不調である
    赤字経営が続いていて、業績が不調である企業は利益を生みにくい状態にあるといえます。配当金も支払われず、当然のことながら、その企業の株を買う人は少なくなります。こうして投資家から人気が落ちた結果、株価も下がります。 

    また、将来の業績の伸びが予想以下であるなど、市場の予想を悪い意味で裏切った場合にも株価は下がります。今まで出していた配当金が出なくなった、または前回より配当金が減ったときは、業績が不調のあかしですから、投資家から嫌われます。

    経営のトップの不祥事、工場の環境汚染、法律違反などの悪い材料や問題が明るみに出た場合も株価が下がる可能性が高くなります企業の業績は原則として年に2回、本決算と中間決算という形で発表されます。また、東証では上場企業に対し、「四半期決算」を義務づけています。

    企業の規模が大きければ大きいほど、売上高や利益の金額も大きくなります。そのため、複数の企業の業績を比較する場合には、1株あたりの利益の推移を重点的にチェックすると良いでしょう。
     

  2. 株式市場全体の悪化
    株式市場全体の動きにも個別企業の株価はどうしても左右されます。特に景気全体が悪化している状態などは株価が下がりやすいです。 
  3. 同業他社の不振・倒産
    同業他社が倒産をすると、その業界自体が冷え込んでいる可能性があります。
    逆にその会社だけに問題がある場合は、売り上げアップのチャンスとなりますから好感されることもあります。 
  4. 金利が上がった場合
    金融機関の金利も株価に大きな影響を与えます。
    金利と株価はシーソーのように、相反する動きをします。つまり、金利が下がると株価は上がり、金利が上がると株価は下がります

    なぜなら、金利が高くなれば、リスクの高い株式投資よりもリスクの少ない預貯金や債券の人気が高まり、株への投資価値が相対的に低下するからです。金利が高ければ、あえてリスクの高い株式投資を選ばなくても、預貯金や債券でそこそこの利息を得ることができますもんね。

    反対に、金利が低くなれば、大きなリターンを狙える株式投資の人気が高まります。預貯金や債券の利息が雀の涙だったら、株式投資に挑戦して、高リターンを狙いたくなる人が増加するのも納得できる話です。

  5. 為替レート
    為替とは、円とドル、円とユーロといった具合に、円貨と外貨(通常はドル)とを交換するレートのことです。

 

 

補足

株価は実際の業績だけではなく、人気や流行によっても大きく左右されます。

つまり、多くの投資家が「良い銘柄だ!」と思ったものは株価があがります。

短期売買で利益を得るためには、こういった「ブーム」を敏感に察知できることがポイントとなってくるでしょう。

人気は時として理屈で測れないこともありますが、主に以下のポイントで察知することができます。

 

  • 新製品、新技術:新製品がヒットすれば収益構造が一変することもある
  • プロモーション戦略:企業イメージがアップすれば人気も高まる
  • ブランド力、知名度:ブランド力は企業にとってお金では買えない価値

 

 

そもそも、円高と円安ってなに?

為替の動きも株価と関係します。

 

日本企業とのつながりが深いアメリカが重要で、ドル・円の動きによって日本の株式市場は影響を受け、株価も上下します

 

そもそも、円高と円安とはなんでしょうか。

 

円安とは、「ドルに対しての円の価値が下がること」で、反対に円高とは「ドルに対する円の価値が高まること」です。

 

海外からモノを買う場合には円高、海外でモノを売る場合には円安がお得ということになります。

 

為替が企業業績に与える影響をそれぞれ見ていくと、

 

 

為替の影響

【円高になると…】

  • 輸出企業(自動車・電機など)
    →海外でこれまでと同じ金額を販売しても、受け取る円が減る
    株価に悪影響
  • 輸入企業(エネルギー、食品など)
    →海外からの原材料の仕入れ価格が下がり、コストを減らせる。=株価に好影響

【円安になると…】

  • 輸出企業(自動車・電機など)
    →海外でこれまでと同じ金額を販売しても、受け取る円が増える
    株価に好影響
  • 輸入企業(エネルギー、食品など)
    →海外からの原材料の仕入れ価格が上がり、コストアップに
    株価に悪影響

 

業種によって為替の影響が異なることが分かります。
円高・円安の影響を受ける企業は大変ですね。

円安になると、輸入企業は海外からの原材料の仕入れ価格が上がってコストアップになるので、株価が下がります。

 

特に輸出産業に関しては円高になると、製品(輸出品)の値段が実質的に上がってしまうので、利益が減るという意味で嫌気されます。

 

株価が下がる要因をいくつか挙げてみましたが、他にも政治・国際情勢など、株価の下降につながる要因はこの他にもたくさんあるといえます。

 

 

ポイント
  • 株価への影響が大きいのは、その企業の「業績」
  • 短期売買で利益を得るには、「人気」や「ブーム」を察知できるかがポイント
  • 金利が下がると株価は上がり、金利が上がると株価は下がる。
  • 為替相場は株価と複雑に絡み合っていて、輸出企業では売上高に、輸入企業では仕入れに影響する

 

 

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