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電子部品の製造に欠かせない「めっき薬品」の分野で、国内外の電子機器メーカーを支える中小型企業が注目を集めています。今回取り上げる『日本高純度化学(4973)』は、地味ながら安定した成長と株主還元姿勢が評価されつつある銘柄です。
日本高純度化学とはどんな会社か
日本高純度化学は、電子部品用めっき薬品に特化した化学メーカーで、プリント基板や半導体パッケージ向けのニッケル・金・銅など高純度薬品を供給しています。特に高精度な加工が求められる分野での技術力に定評があります。
- 設立:1971年7月16日
- 上場市場:東京証券取引所プライム市場
- 時価総額:約270億円(2025年4月時点)
- 業種:化学
- 事業内容:電子部品向け貴金属めっき薬品などの製造販売
直近の業績動向と投資指標
2025年3月期第3四半期(累計)の業績は以下の通りです。
- 売上高:100.61億円(前年同期比で増収)
- 営業利益:4.17億円(会社予想比83.4%の進捗)
- 最終利益:13.31億円(通期予想15.8億円に対して高進捗)
投資指標としては以下の水準です(2025年4月時点、株価3,200円前後を想定)。
- PER:11倍台
- PBR:0.9倍前後
- 配当利回り:約3.9%(年間126円配)
割安感と安定配当が支える中長期の魅力
日本高純度化学は、ニッチ分野で高シェアを誇る技術力を背景に、安定した収益構造を維持しています。さらに2025年3月期で2期連続の増配を予定し、自己資本配当率(DOE)を意識した株主還元方針を採用しています。
これにより、株価変動リスクを抑えながら中長期での資産形成を志向する投資家から注目を集めつつあります。
電子部品需要と成長分野との関連性
AI、IoT、自動運転といった技術の進展により、電子部品の需要は拡大傾向にあります。同社が提供する高純度めっき薬品は、電子機器の性能や信頼性に直結する重要な素材であり、今後も継続的な需要が期待されます。
テクニカル面での注目点
2025年4月時点で、株価は75日移動平均線を上回って推移しており、下値の堅さが意識される展開です。また、出来高の増加も確認されており、投資家の関心が高まっている兆しがうかがえます。
まとめ
視点 | ポイント |
---|---|
業績面 | 売上・利益ともに堅調、通期計画に対し高進捗 |
バリュエーション | PER・PBRともに割安感あり |
配当 | 年間126円配で利回りは3.9%前後 |
テーマ性 | 電子部品・AI・自動運転分野との関連性が高い |
安定性 | 景気に左右されにくいニッチ市場での競争力あり |
地味な印象ながら、技術力・財務体質・配当方針のいずれも評価できる企業です。中長期での資産形成を志向する投資家にとって、ウォッチリストに加える選択肢となり得るでしょう。