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5月14日(水)前場の東京株式市場は、米ハイテク株高の流れを引き継いで日経平均株価が続伸で始まりましたが、前日までの4営業日で900円超上昇していた反動から、利益確定売りが広がり下落に転じました。
米ナスダックやSOX指数の大幅高を背景に半導体株が堅調な一方、指数は一時300円を超える下げとなる場面もあり、3万8000円台を挟んで一進一退の展開となっています。
東京株式市場の状況(2025年5月14日 前場)
- 日経平均:始値 3万8199円03銭(前日比 +15円77銭)
- 前場中盤:一時 300円超安の3万7900円台へ反落
- 東証プライム売買代金(概算):1兆6720億円
- 売買高(概算):6億8216万株
- TOPIX:反落
米国市場の影響
前日の米株式市場では、ナスダック総合指数が+1.6%、SOX指数が+3.1%と大きく上昇。特にエヌビディアはサウジAI企業との提携を発表し5%超の上昇を記録しました。さらに、4月の米CPIが前年比+2.3%と予想(+2.4%)を下回り、インフレ鈍化が意識されたことも株高の追い風となりました。
この流れを受け、東京市場では半導体株に買いが入り、日経平均は一時140円超高まで上昇しました。
東京市場の動き
東京エレクトロンやアドバンテストなど、指数寄与度の高い半導体関連株が堅調だったものの、前日までの上昇で利益確定売りが広がり、10時過ぎには下落に転じました。
米国のインフレ指標が鈍化傾向にある中、15日に控える米小売売上高など『ハードデータ』の発表を前に、様子見ムードも広がっています。
為替市場の動向
ドル円は米CPI発表を受けて円高方向に振れ、東京時間には147円台半ばをつけました。インフレ鈍化でFRBの早期利下げ観測が再燃し、ドル売りが強まった格好です。
個別銘柄の動き
上昇
- アドバンテスト、東京エレクトロン(米SOX指数高を受けて買い継続)
- リクルート、フジクラ、ソフトバンクG(テーマ性や業績評価で堅調)
- 丸井グループ、良品計画、ネクソン(個別材料観測あり)
下落
- ファーストリテイリング、トヨタ(利益確定売り)
- 信越化学、ニトリHD、ソニーG、テルモ、ファナック(大型株・ディフェンシブに売り)
人気のテーマ
テーマ | 内容・背景 |
---|---|
米ハイテク株高 | ナスダック・SOX指数が上昇、東京市場の半導体株に波及 |
インフレ鈍化 | 米CPIが予想下回る。利下げ期待でドル売り・円高進行 |
利益確定売り | 日経平均4連騰の反動で戻り待ちの売りが上値を圧迫 |
為替(円高進行) | ドル円は147円台半ば。輸出株にはやや逆風 |
ハードデータ前の警戒 | 米小売売上高など実体経済指標を前にポジション調整が進む |
注目の銘柄
銘柄名 | コード | 業種 | ポイント |
---|---|---|---|
アドバンテスト | 6857 | 電気機器 | 米SOX高を受け堅調。半導体測定装置で評価高い |
東京エレク | 8035 | 電気機器 | 半導体製造装置関連の主力。指数寄与度大 |
丸井グループ | 8252 | 小売業 | 金融収益改善と消費関連テーマで買い |
良品計画 | 7453 | 小売業 | インバウンド期待と業績回復で個人投資家に人気 |
ネクソン | 3659 | 情報通信 | 円安メリットとゲーム関連銘柄物色の流れで上昇 |
今日の主要経済イベント
時刻 | 指標・イベント名 | 注目ポイント |
---|---|---|
8:50 | 国内企業物価指数(4月) | 物価の上昇圧力確認、日銀スタンスのヒントにも |
21:30 | 米卸売物価指数(PPI) | CPIに続き、インフレ動向への注目継続 |
翌日未明 | 米小売売上高(4月) | 実体経済を映す“ハードデータ”、株式市場に影響大 |
まとめ
日経平均は前日の米ハイテク株高を受けて続伸で始まりましたが、利益確定売りに押され下落に転じました。半導体株は引き続き堅調な一方、相場全体は米経済指標を前に方向感を欠く展開です。
午後は3万8000円を維持できるか、そして円高の進行がどこまで株価の重しとなるかが焦点となります。