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東証寄り付き 日経平均は続伸 米株高で、ソフトバンクGの急伸がけん引

10月3日、東京株式市場は好スタートを切りました。日経平均株価は前日比で約350円の上昇となり、4万5,200円台後半での寄り付きです。
背景には、米国株式市場で主要3指数がそろって最高値を更新した流れがあります。海外投資家の買いが先行した格好です。
特に注目されるのはソフトバンクグループ(SBG)の急伸です。AI(人工知能)関連の追い風もあって、株式分割を勘案した上での上場来高値を更新。
東京エレクトロンとともに、日経平均の上昇を力強くけん引しました。米政府機関閉鎖リスクの懸念も残る中、AI・半導体関連への資金流入意欲が非常に強く表れた朝の動きです。
自民党総裁選を翌日に控えていますが、現時点では政策動向を見極めたいとの思惑は後退し、海外勢の買いが相場を押し上げる印象です。一方で、良品計画やニトリHDといった消費関連銘柄には逆風が見られ、下落が目立ちました。
東証株価指数(TOPIX)も反発して始まりました。
個別では、中外薬、リクルート、日東電が上昇。一方、ファストリ、フジクラ、任天堂、アステラスが下落しています。
東証10時 日経平均は600円超高 海外勢の買いが加速
前場中ごろ(10時台)になると、上昇ペースは一段と加速し、日経平均は前日比で約630円高、4万5,500円台後半で推移しています。
米国株価指数の史上最高値更新を受けて、リスク選好姿勢が強まり、海外勢の買いが日本株へ流入しています。
この上げを牽引しているのは、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンといった指数寄与度の高い銘柄。先物買いや物色人気の強い「値がさ株」中心に資金が集中傾向です。
特にキオクシア(半導体メモリ関連)がストップ高水準に迫る動きを見せており、物色の中心銘柄となっています。資金が目立つ銘柄に偏る傾向が強くなっています。
一方で、良品計画、ニトリHDは9月の既存店売上高がそろってマイナスとなったことが逆風となり、大きく下落。これが消費関連の「足を引っ張る」形になっています。
このほか朝方発表された8月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から低下、同時に完全失業率(季節調整値)は上昇しており、国内景気・雇用面の弱さも意識されています。
10時時点で、東証プライムの売買代金は概算1兆7,356億円、売買高は8億1,750万株となりました。
個別銘柄では、日東電、ソニーG、日立が堅調。一方、フジクラ、任天堂、レーザーテクが軟調です。
東証前引け 日経平均は続伸 海外勢の買い、最高値迫る
午前取引を終えての前引け時点では、日経平均株価は前日比647円81銭(+1.44%)高の45,584円54銭となりました。米追加利下げ観測や米株の強さを背景に、リスク選好の買いが日本株にも本格波及しています。
株価指数先物への投機的買いも先導し、一時上げ幅は800円超に達する場面がありました。9月25日の過去最高値(45,754円)に迫る動きも見られ、注目が集まる展開です。
この日は値がさ株のみならず、銀行を含む大型株にまで買いが広がりました。TOPIXも反発。
前引け時点の東証プライム売買代金は概算2兆7,578億円、売買高は12億3,943万株。値上がり銘柄数は1,240、値下がりは325、横ばいは50と、上昇銘柄が市場の約7割を占めています。
上昇銘柄にはリクルート、日東電、ソニーG、信越化が目立ちました。逆に、フジクラ、任天堂、エーザイ、レーザーテクは売られる展開でした。
東証後場寄り 日経平均は引き続き堅調 値がさ株の買い続く
後場寄り付きでも、日経平均は前日比で約650円の上昇水準、4万5,500円台後半あたりを中心に堅調に推移しています。
午前中に強かった先物買いが一服しているようにも見えますが、物色意欲は衰えておらず、断続的な買いが続いています。
特に注目されているのは、値がさ株(株価水準の高い銘柄)。ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソニーGなどが引き続き買われています。一方で、良品計画、ニトリHD、フジクラ、エーザイは下落基調です。
前引け後の時間帯では、国内外の大口投資家によるバスケット取引(複数銘柄をまとめて行う大口取引)が約18億円分成立したとの情報もありました。
12時45分時点で、東証プライムの売買代金は概算3兆373億円、売買高は13億9,456万株に達しています。
東京株式市場の状況(13:00時点)
| 指数 | 前日比 | 水準(目安) |
|---|---|---|
| 日経平均 | +約650円 | 約45,500円台後半 |
| TOPIX | 反発 | ― |
米国市場・経済指標の動き
米国では、景気の先行き懸念が米労働市場指標の弱さを通じて意識される中、追加利下げ期待が強まっています。これがリスク選好の買いを誘い、主要株価指数の最高値更新を後押しする流れになっています。
加えて、先物取引や投機ファンドのポジションがこうしたトレンド変化に敏感に反応し、日本市場にも波及していると考えられます。
ただし、米政府機関の一部閉鎖リスクは依然として潜む不確実要因で、今後の政策判断や指標発表のタイミングが大きな鍵を握りそうです。
東京市場のテーマ・個別銘柄
この日の市場では、AI・半導体関連株が断然目立つ動きを示しました。ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンなどが物色の主役です。
一方、消費関連や内需系には慎重な姿勢が残り、良品計画やニトリHDといった銘柄には逆風が強く出ています。
- 上昇銘柄:ソフトバンクG、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソニーG、リクルート、日東電
- 下落銘柄:良品計画、ニトリHD、フジクラ、任天堂、エーザイ
人気のテーマ(5つ)
| テーマ | 背景・狙いどころ | 留意点 |
|---|---|---|
| AI・半導体 | 米株の牽引・先端技術期待 | 利益見通しへの過度な期待に注意 |
| 検査装置・製造装置 | 高マージンな事業構造 | 需給悪化や過剰投資リスクあり |
| 値がさ株 | 一部銘柄に資金集中傾向 | 個別リスクの揺らぎも大きい |
| 銀行・金融 | 金融緩和期待が材料に | 利幅縮小・信用リスクに警戒 |
| 内需・消費関連 | 景気回復反映を期待 | 物価高・消費抑制が逆風となる可能性 |
注目の銘柄
| 銘柄 | 注目理由 |
|---|---|
| ソフトバンクグループ | AIテーマ、上場来高値更新の勢い |
| アドバンテスト | 検査装置分野でのテーマ性 |
| 東京エレクトロン | 半導体装置の中核企業 |
| ソニーG | ハイテク・映像・ゲーム複合事業 |
| リクルート | 内需・情報サービス事業の安定性 |
中小型株も押さえておきたい理由
今回のように資金が値がさ株やテーマ株に集まる相場局面では、中小型株の「変化に敏感な動き」が魅力となることがあります。大手の動きがひと段落した後、テーマ性や革新性を備えた中小型株が次の主役となる可能性も否定できません。
今日の主要経済ニュース(発表予定指標など)
| 国・地域 | 指標・イベント | 備考 |
|---|---|---|
| 米国 | 公的雇用統計(非農業部門など) | 発表動向と解釈に要注目 |
| 日本 | 日銀金融政策決定会合 | 植田総裁の発言内容が焦点 |
| 日本 | 各企業 決算発表 | 個別銘柄で景況感を確認する材料に |
| 日本 | 消費・雇用統計 | 国内景気判断に影響を与える可能性 |
まとめ
10月3日の東京市場は、米国株高と利下げ観測を追い風に大幅上昇の一日となりました。特にAI・半導体関連株が注目を浴び、指数をリードしました。一方、消費関連銘柄にはやや重さが残り、景気や物価・雇用データの先行き懸念が尾を引く構図です。
今後は、米国の政策スタンス、日銀の金融運営、指標発表タイミングが相場の方向性を左右すると見られます。テーマ性+分散の視点で銘柄ポートフォリオを構築したい場面です。
上昇相場の勢いが強い今日ですが、「強い流れには流されすぎない」慎重さもまた大事です。特にテーマ株中心の動きでは、反動・過熱感に気を配りつつ、自分の基準で見極めたいと思います。





