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8日の東京株式市場では、日経平均株価が反落して始まったあと上昇に転じ、前日比110円高の4万8,000円台前半で推移しました。
米国市場でハイテク株に売りが出た流れを受け、東京市場でも半導体関連銘柄が売られたものの、円安が進行したことで輸出関連株が支えとなり、下げ一巡後は上昇に転じました。
東京株式市場の状況(2025年10月8日・前場)

日経平均は一時4万8,000円を上回る場面もありましたが、上値は重く推移しました。
米国のハイテク株安の影響を受け、半導体関連に売りが先行したことが要因です。東証株価指数(TOPIX)は続伸し、最高値圏を維持しました。
市場関係者の間では「最高値圏での利益確定売りは出ているが、AI分野全体への悲観的な見方が強まっているわけではない」との声があり、投資家のセンチメントは依然として前向きです。
米国市場の影響
前日の米株式市場では、ダウ平均が続落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数やSOX(フィラデルフィア半導体株指数)も下落しました。
クラウド事業の利益率が予想を下回ったとの報道を受けてオラクル株が下落し、AI関連株にも売りが波及。日本市場でもアドテストや東京エレクトロンなど半導体関連株に売りが広がりました。
東京市場の動き
序盤は軟調に始まりましたが、下げ幅が縮小すると徐々に買い戻しが入り、日経平均は上げに転じました。
前日の最高値(4万7,950円)を上回る場面もありました。前場中ごろには上げ幅を200円超まで拡大し、アドテストは下落から上昇に転じました。
また、「高市トレード」と呼ばれる新政権への政策期待も相場の支えとなっています。高市早苗氏による積極財政方針が海外投資家の買いを呼び込み、相場の下値を支えました。
為替市場の動向
8日午前の外国為替市場では、円相場が1ドル=152円台半ばまで下落し、前日夕方比で円安・ドル高が進行しました。
高市新総裁が財政拡張や緩和的な金融政策を志向しているとの見方から、円売りドル買いが続いています。円安は自動車や機械など輸出関連株にとって追い風で、トヨタやスズキが上昇しました。
個別銘柄の動き
上昇銘柄は、第一三共、トヨタ、フジクラ、ソニーGなど。一方、アドテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ(SBG)が下落しました。
ファーストリテイリング(ファストリ)は朝高後に反落しました。
人気のテーマ
| テーマ | 背景・狙いどころ |
|---|---|
| 半導体・電子部品 | AI関連の調整続くも、中長期では成長期待が強い |
| 輸出関連 | 円安による収益押し上げ効果が注目 |
| 防衛・政策関連 | 高市政権による財政出動・防衛強化への期待 |
| 製薬・医療関連 | 相場の調整時に資金が向かいやすい |
| 金融・銀行 | 金利上昇の影響を見極める動き |
注目の銘柄
| 銘柄 | 注目ポイント |
|---|---|
| アドテスト | 朝方は下落も持ち直し、反発への期待が残る |
| 東京エレクトロン | 主力装置株として市場の需給を左右 |
| トヨタ | 円安恩恵で業績押し上げ期待 |
| 第一三共 | ディフェンシブ株として安定した買い |
| ソニーG | 円安・エンタメ関連の両面から注目 |
中小型株が好ましい
主力株が調整局面に入ると、資金が中小型株に流れる動きが強まります。
特にAI、電子部品、防衛など政策テーマに関連する中小型株は引き続き注目されます。
今日の主要経済ニュース
| 国・地域 | 内容 | 発表予定 |
|---|---|---|
| 日本 | 9月景気ウォッチャー調査 | 10月8日(水)午後 |
| 米国 | 9月消費者信用残高 | 10月8日(水)夜 |
| 中国 | 9月貿易統計 | 10月9日(木)予定 |
まとめ
10月8日の東京株式市場は、米ハイテク株安の影響を受けて軟調に始まったものの、円安進行が支えとなり、日経平均は再び上昇に転じました。
半導体関連は一時下げましたが、買い戻しが入り相場の底堅さを示しました。為替・政策期待・AI関連の動向が引き続き注目されます。





