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5日の東京株式市場は大幅反落スタート。日経平均株価は一時1500円超下落し、節目の5万円を割り込む場面もありました。
前日の米ハイテク株安を受け、半導体やAI関連銘柄を中心に売りが先行。東エレクやアドテスト、ソフトバンクグループ(SBG)といった主力株が軒並み下落し、指数を押し下げました。
一方、好決算を発表した任天堂など一部個別株には買いが入っています。
【注目記事】
国内株概況(寄り付き)

5日前場寄り付きの東京株式市場で、日経平均株価は前日比1000円ほど安い5万0500円前後で推移しました。
前日の米ハイテク株安を受けて東京市場でも半導体関連銘柄が売られ、下げ幅は一時1100円を超え。
米国のAI関連株の下落をきっかけに世界的にハイテク株へ利益確定の動きが広がり、日本市場もその流れを引き継ぎました。
世界経済・米国市場の動向

4日の米株式市場では、人工知能(AI)関連銘柄に対する割高感が意識され、ハイテク株を中心に下落しました。
AI関連として人気の高かったパランティア・テクノロジーズが終値で約8%安。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は前日比2%安、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%安と急落しました。
AI・半導体関連を中心に過熱感の修正が入った格好です。
米10年債利回りは4.42%近辺まで上昇。米金利上昇を背景にドル高・円安が進み、東京時間の為替相場は1ドル=153円台後半で推移しています。
一方で、米株式市場では景気敏感株やディフェンシブ株の一部に資金が移る動きもみられました。
国内要因
高市政権発足以降、日本株は急ピッチで上昇し、10月には史上初の5万円台を突破。しかし足元では短期的な過熱感やAI関連株への過剰な期待の反動が意識されています。
大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは「これまで期待先行で買われてきたAI銘柄だが、急伸の反動で世界的に調整が起きている」と指摘しました。
また、5日は韓国や台湾など他のアジア市場も軟調で、韓国総合株価指数(KOSPI)は前日比4%超の下落。アジア全体でハイテク株に売りが波及する構図となりました。
午前中盤の動き(10時)
午前10時時点で日経平均は前日比1500円ほど安い4万9900円台後半で推移。節目の5万円を一時的に下回りました。
東エレク、アドテスト、ソフトバンクグループ(SBG)の3銘柄で日経平均を約1000円押し下げています。
半導体関連株の売りが続く一方、前日に決算を発表した任天堂は8%超上昇し、個別物色も活発でした。
為替・金利動向
東京外国為替市場では円相場が1ドル=153円台後半で推移。
米10年債利回りは4.4%台半ばで高止まりしており、日米金利差を背景に円安傾向が続いています。
国内長期金利(10年物国債利回り)は0.88%前後と横ばい。日銀による金融緩和維持方針が引き続き金利上昇を抑制しています。
注目銘柄・セクター動向
下落銘柄:東エレク、アドテスト、SBG、ディスコ、レーザーテク、ファナック、トヨタ。
上昇銘柄:任天堂、ファストリ、コナミG、バンナムHD、日ハム、中外薬。
セクター別では「電気機器」「精密機器」「輸送用機器」が大幅安、「食料品」「サービス業」の一角が堅調。
まとめ
過熱したAI・半導体株に利益確定売りが出て、世界的に調整ムードが強まりました。日本株も例外ではなく、短期的な反落局面を迎えています。
とはいえ、任天堂など好決算銘柄への買いが入るなど、相場全体が一枚岩で崩れているわけではありません。

5万円台前後での攻防は続きそうですが、業績裏付け型の銘柄選別が進むことで、中期的には再び上昇トレンドを取り戻す可能性もありそうです。






