
目次

6日の東京株式市場は反発スタートとなりました。
日経平均株価は一時1000円を超える上昇となり、節目の5万1000円台を回復しました。
前日の米株式市場でハイテク株を中心に上昇した流れを受け、東京市場でも半導体や輸出関連株に買いが先行。
もっとも、急速な上昇に対する警戒感は根強く、10時台には上げ幅を縮小し、一進一退の展開となりました。
【注目記事】
国内株概況(寄り付き)

6日前場寄り付きの東京株式市場で、日経平均株価は前日比1000円あまり高い5万1000円前後で推移。
前日の米株高と円安基調を好感した短期筋の買いが主力株に入り、幅広い銘柄が上昇しました。
日経平均は前日まで2日間で2000円を超える下げとなっていた反動もあり、自律反発狙いの買いが優勢。東証株価指数(TOPIX)も反発しています。
世界経済・米国市場の動向

5日の米株式市場では主要3指数がそろって上昇しました。ダウ工業株30種平均は前日比178ドル(0.38%)高の4万7515ドルで終了。
米民間雇用サービス会社ADPが発表した10月の全米雇用リポートによると、非農業部門雇用者数は前月比4万2000人増と市場予想(2万2000人増)を上回り、雇用の急速な悪化懸念が後退しました。
景気が底堅く推移しているとの見方が広がり、ハイテク株を中心に買いが入りました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は前日比1.9%高、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.3%上昇。
半導体関連株ではアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアが買われ、AI関連を中心に上昇が目立ちました。

こうした米国市場の動きを受け、東京市場でも半導体関連株に資金が流入しました。
国内要因
前日の日経平均は1284円安と大幅に下落し、10月の急上昇に対する反動が顕在化しました。
ただ、市場では「中長期的な先高観は崩れておらず、押し目買いの好機」との見方が依然として強い状況です。
アイザワ証券の三井郁男ファンドマネージャーは「高市政権の経済政策に対する期待が根強く、下げ局面では主力株に買いが入りやすい」と話しています。
この日は、ソフトバンクグループ(SBG)が大きく買われる場面もありました。
傘下の英半導体設計アーム・ホールディングスが発表した四半期決算が市場予想を上回り、業績の底堅さが好感されました。
一方、朝方は上昇していたSBGも、個人投資家の短期売買が活発化した影響で、一時マイナス圏に転じる場面も見られました。
午前中盤の動き(10時)
10時現在、日経平均株価は前日比600円ほど高い5万0800円前後で推移。朝方に一時1000円を超える上昇を見せたものの、上値はやや重くなりました。
東エレクやルネサスなどの半導体関連株は買い一巡後に伸び悩み、相場全体としては戻り待ちの売りと押し目買いが交錯する展開となりました。
市場では「高値警戒感は依然強く、日経平均の200日移動平均線からの上方乖離率は24.6%と依然として過熱水準」(国内証券ストラテジスト)との声もあり、上値追いには慎重な姿勢がうかがえます。
為替・金利動向
東京外国為替市場では円相場が1ドル=153円台後半で推移。前日の米雇用指標を受けてドル買いが優勢となり、円安が進行しました。
米10年債利回りは4.38%近辺とやや上昇。国内金利は0.88%前後で横ばいとなっています。
注目銘柄・セクター動向
上昇銘柄:東エレク、アドテスト、SBG、トヨタ、任天堂、三井住友FG、コマツ、ソニーG、住友商事。
下落銘柄:JR東海、ニトリHD、ソシオネクス、IHI。
セクター別では「電気機器」「輸送用機器」「金融」が上昇、「サービス業」「小売業」は軟調。
まとめ
前日の大幅安から一転、きょうの東京市場は米株高と円安を好感したリバウンドとなりました。
AI・半導体関連の好決算が投資家心理を支える一方で、高値圏での戻り売りも増えており、短期的な振れ幅の大きい展開が続きそうです。
今後は、米雇用統計や企業決算の内容を見極めながら、再び5万2000円台をうかがう展開になるかが焦点です。

5万円台前後での攻防は続きそうですが、業績裏付け型の銘柄選別が進むことで、中期的には再び上昇トレンドを取り戻す可能性もありそうです。






