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14日前場寄り付きの東京株式市場では、日経平均株価が大幅反落で始まりました。
前日に比べ900円ほど安い5万0300円台後半で推移し、下げ幅は一時1000円を超えました。
米ハイテク株安と米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退が重荷となり、東京市場でも半導体関連株を中心に売りが広がっています。
【注目記事】
米国市場の動向

13日の米株式市場では、追加利下げに慎重なFRB高官の発言が相次ぎ、利下げ期待が後退しました。
ハイテク株中心のナスダック総合株価指数は2.29%安、主要半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.71%安と大幅に下落。
これまで相場上昇をけん引してきた人工知能(AI)や半導体関連株に利益確定の売りが出て、全体を押し下げました。
米政府閉鎖解除の動き
トランプ米大統領が米政府機関の一部閉鎖を解除するつなぎ予算に署名し、政府機関の活動が順次再開し始めました。
これにより発表が遅れていた米経済指標も再開される見通しです。
ただ市場では「指標次第では関税政策の影響が顕在化する可能性があり、国内でも一時的に持ち高を落とす動きが広がっている」(三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジスト)との声が聞かれます。
国内株の動き(寄り付き)

東京市場でも、この流れを引き継ぐ形で半導体株が売られました。
アドバンテストや東京エレクトロン(東エレク)、フジクラなどが下落。
13日に決算を発表した一部銘柄にも売りが出ており、2025年7〜9月期の連結決算(国際会計基準)で大幅減益となったキオクシアは売り気配となりました。
一方、中外製薬や第一三共、KDDIなどディフェンシブ株(景気に左右されにくい業種)には買いが入っています。
東証10時時点の動き
午前10時ごろには、日経平均株価が下げ幅を縮小し、前日比650円ほど安い5万0600円台前半で推移しました。
朝方に1000円超下げた後、節目の5万円近辺では押し目買いが入り、ソフトバンクグループ(SBG)やアドバンテストが下げ幅を縮めています。
為替・金利の動向
東京外国為替市場では円相場が1ドル=154円台半ばで推移。
前日の155円台からはやや円高方向へ戻したものの、依然として円安圏です。
為替の動きは輸出関連株の支援材料となる一方、米金利上昇観測が残るなかで投資家の慎重姿勢は続いています。
投資部門別売買動向
東京証券取引所が13日に発表した11月第1週(4〜7日)の投資部門別株式売買動向によると、個人投資家は現物株を3週ぶりに買い越しました。
市場関係者の間では「上昇一服で調整局面入りしたことにより、個人投資家の押し目買い意欲が強まっている」(東海東京インテリジェンス・ラボの山藤将太エクイティマーケットアナリスト)との指摘があります。
SQ値の算出と影響
14日に算出された株価指数オプションとミニ日経平均先物11月物の特別清算指数(SQ)値は、QUICK試算で5万0323円66銭となりました。
日経平均株価の前日終値を1.86%下回る水準でしたが、実際の株価がSQ値を大きく下回らなかったことで、市場心理の支えになったとの見方もあります。
市場全体の統計
10時時点の東証プライム市場では、売買代金が概算で2兆3348億円、売買高は8億8858万株。
東証株価指数(TOPIX)は反落となりました。
ダイキン工業やトヨタ自動車が安い一方、TOPPANホールディングスやエムスリーは上昇しています。
市場分析
米半導体株の大幅安が東京市場にも波及し、短期的な持ち高調整の売りが優勢となりました。
ただ、個人投資家による押し目買いが下値を支えており、朝方の急落からはやや落ち着きを取り戻しています。
為替の円安基調や政府閉鎖解除の進展は中長期的に好材料とされており、投資家心理の改善に寄与する可能性があります。
まとめ
朝方は米金利上昇とハイテク株安を嫌気した売りが優勢でしたが、個人投資家による押し目買いが相場の下支えとなりました。
半導体株の調整は続いているものの、節目の5万円付近では買いが入るなど、市場の底堅さも見えています。

来週にかけては、米経済指標の再開とFRBの動向が焦点となりそうです。






