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12月1日の東京株式市場は、朝方こそ小高く始まりましたが、その後は利益確定売りが広がり、日経平均は一時900円あまり下落しました。前週の急ピッチな上昇の反動に加え、日銀の利上げ観測が強まったことが相場の重荷となりました。
【注目記事】
東京株式市場の状況

日経平均株価は 前引けで前週末比846円60銭安の4万9407円31銭 となり、反落しました。
朝方は前週末の米株高を受けて買いが入りましたが、すぐに下げへ転じています。前週に1600円あまり上昇していたため、短期的な過熱感を警戒した売りが優勢となりました。
TOPIXも反落し、前引けは33.96ポイント安の3344.48。
JPXプライム150指数も 18.09ポイント安の1438.33 となり、そろって下落しました。
売買代金は 概算2兆7343億円、売買高は 11億1696万株 と前場としては高めの商いです。
- 主な下落銘柄
アドバンテスト、ファーストリテイリング、フジクラ など。
- 主な上昇銘柄
三菱UFJ(年初来高値更新)、村田製作所、住友電工など銀行株が目立ちました。

前週の上昇が大きかったため、利益確定を優先した投資家が多い印象です。全体の流れを見ながら、急な値動きに振り回されない姿勢が大切に感じます。
米国市場の影響

前週末の米株式市場では、米利下げ観測が続くなか、ダウ平均を含む主要3指数が上昇しました。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は 2%近く上昇 し、半導体関連を中心に買いが入りました。
この流れを受け、東京市場も朝方は買い先行となりましたが、国内要因の重さが勝った形です。
東京市場の動き
海外短期筋の先物買いが寄り付き後の上昇を支えましたが、
- 前週1600円超の急騰
- 米利下げ観測頼みで国内材料に乏しい
- 利上げ警戒による持ち高調整
といった要因が重なり、売りに押されました。
日経平均の下げ幅は 10時過ぎに一時800円超 まで広がりました。
10時時点で東証プライムの売買代金は 1兆6617億円、売買高 7億5803万株 と商いは活発でした。
為替市場の動向
1日12時の円相場は 1ドル=155円54〜55銭 と、前週末比 76銭の円高 となりました。
背景は以下の通りです。
- 日銀が12月会合で「0.25%利上げ」を決めるとの観測
- 植田総裁の発言が利上げを示唆したとの受け止め
- 日米金利差縮小を意識した円買い
円はユーロに対しても上昇し、1ユーロ=180円34〜36銭(61銭の円高)でした。
個別銘柄の動き
- 下落
ファーストリテイリング
フジクラ
アドバンテスト
- 上昇
三菱UFJ(年初来高値更新)
村田製作所
住友電工
銀行株は金利上昇を受けて買われました。
人気のテーマ
| テーマ | ポイント |
|---|---|
| 銀行 | 国内金利上昇で買いが優勢 |
| 半導体 | SOX高も利益確定売りが続く |
| 商社 | 豊田通商など堅調 |
| 自動車部品 | 住友電工など一部に買い |
| 防犯・セキュリティ | セコムが上昇 |
注目銘柄
| 銘柄 | 理由 |
|---|---|
| 三菱UFJ | 金利上昇で年初来高値更新 |
| 住友電工 | 買いが継続 |
| 村田製作所 | 電子部品株に物色 |
| フジクラ | 利益確定売りで軟調 |
| アドバンテスト | 半導体指数高でも利益確定売り |
主要経済ニュース
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 午前 | 日銀・植田総裁が名古屋金融経済懇談会で発言「利上げの是非を適切に判断」 |
| 12:00 | 円相場155円台半ばまで上昇 |
| 米国 | FOMC(12月9〜10日)で0.25%利下げ観測強まる |
まとめ
12月1日前場の東京株式市場は、前週の急上昇の反動と日銀の利上げ観測を背景に、日経平均が大きく反落しました。
銀行株には買いが入る一方、主力の半導体関連株には利益確定売りが広がりました。午後の植田総裁の会見内容が、後場の相場にも影響を与えそうです。






