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4日の東京株式市場は、米国の利下げ観測を追い風に日経平均が5万円台を回復しました。
前日の米株高を受けて幅広い銘柄に買いが入り、前場は堅調な展開が続きました。一方で、日銀の利上げ観測が重石となり、戻り売りも意識される相場となっています。
東京株式市場の状況(12月4日 前場)

日経平均は5万0200円台で続伸。前日比400円高でスタートし、上げ幅は一時500円に迫りました。
米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が強まり前日の米国株が上昇したことで、東京市場でも主力株に買いが先行しました。
一方、日銀が18〜19日の会合で利上げに踏み切るとの見方が根強く、5万円台では戻り待ちの売りも出ています。債券市場では長期金利が1.9%台まで上昇し、高金利と比較した日本株の割高感を警戒する動きもみられます。

TOPIXも反発して堅調な動きです。
米国市場の影響

3日の米株式市場でダウ平均は前日比408ドル高の4万7882ドル。
民間調査会社ADPが発表した雇用リポートで、非農業部門雇用者数が3万2000人減と市場予想に反してマイナスとなり、労働市場の減速が意識されました。
これにより、FRBが9〜10日のFOMCで利下げに動くとの見方が強まり、リスク資産に資金が戻りました。
東京市場の動き
前場中盤には、物色の流れが半導体から「フィジカルAI(ロボット・自律制御)」関連にシフト。
- ファナックが大幅高、安川電機も急伸
- この2銘柄で日経平均を約200円押し上げる格好となりました。
- ソフトバンクグループ(SBG)も堅調
一方で、食品や電力系など守りの株は軟調。JAL、JT、エムスリーなどに売りが出ています。
10時時点の東証プライム売買代金は概算1兆6074億円、売買高は7億839万株。
売買代金は前日から増加しており、市場参加者の活発さがうかがえます。
為替市場の動向(8時30分時点)
円相場は1ドル=155円16〜18銭と52銭の円高。
ADP雇用統計の弱さを受け、利下げ観測からドル売りが優勢になりました。
ユーロに対しても円高基調で、1ユーロ=181円06〜11銭。
また、米政府機関の一部閉鎖を受け米雇用統計の発表が16日に延期。FOMC(9〜10日)前に公式データが揃わない点もドル売りの要因となっています。
個別銘柄の動き
上昇した主な銘柄
- ソフトバンクグループ
- ファナック
- 安川電機
- キーエンス
- 三菱電機
- イオン
下落した主な銘柄
- JAL
- JT
- エムスリー
- キリンHD
- 住友電工
人気のテーマ
| テーマ | 背景 |
|---|---|
| フィジカルAI | ロボット・自律制御への資金移動 |
| 半導体 | 米利下げ観測で底堅い |
| 商社株 | 資源高と利ザヤ期待 |
| インバウンド | 円高一服で下落も見直し買い |
| 電機機器 | 設備投資需要の底堅さ |
注目銘柄
| 銘柄 | 理由 |
|---|---|
| ファナック | ロボティクス関連で資金流入 |
| 安川電機 | AI制御関連で物色集中 |
| ソフトバンクG | グロース株への買い戻し |
| キーエンス | 自動化需要の恩恵 |
| 三菱電機 | 半導体製造装置の需要が堅調 |
今日の主要経済ニュース
| 時刻 | 国 | 指標 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 08:50 | 日本 | 対外中長期債投資 | -7713億円 |
| 08:50 | 日本 | 対内株式投資 | 6556億円 |
| 09:30 | 豪州 | 10月貿易収支 | 43.85億豪ドル |
| 17:00 | スイス | 11月失業率 | 3.0% |
| 18:30 | 英国 | 11月建設業PMI | 44.1 |
| 19:00 | ユーロ | 10月小売売上高(前月比) | -0.1% |
| 22:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数 | 21.6万件 |
| 24:00 | カナダ | Ivey購買部協会指数 | 52.4 |
まとめ
4日の東京市場は、米利下げ観測を追い風に5万円台を維持する堅調な展開となりました。半導体からAIロボ分野への循環物色が鮮明で、主力株の動きが相場を支えています。
ただ、日銀の利上げ観測が強く、上値の重さも意識されます。為替は円高が進行し、外需株の動向にも注目が集まります。





