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3月23日前場の東京株式市場は、リスク回避一色の展開となりました。日経平均は朝から大幅安で始まり、10時過ぎには下げ幅が2600円を超える場面もありました。
背景にあるのは、中東情勢の緊迫化による原油高と、それに伴う米利下げ観測の後退です。半導体株や値がさ株が相場全体を押し下げる一方、医薬品や一部ディフェンシブ株には資金が向かいました。
きょうの東京市場は、地政学リスクと金利上昇懸念が同時に株価を圧迫した一日として整理しておきたいところです。
東京株式市場の状況(2026年3月23日 前場時点)

前場の日経平均は一時5万0688円まで下げ、取引時間中として2025年12月30日以来の安値を付けました。その後は先物に打診買いが入り、前引けにかけては下げ幅をやや縮めましたが、戻りは限定的でした。
| 指数・項目 | 前場時点 | 前営業日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 51,582.23 | ▲1,790.30(▲3.35%) |
| TOPIX | 3,497.81 | ▲111.59(▲3.09%) |
| 東証プライム売買代金 | 4兆842億円 | 前引け概算 |
| 東証プライム売買高 | 13億2302万株 | 前引け概算 |
| 値下がり銘柄数 | 1475銘柄 | 全体の約93% |
| 値上がり銘柄数 | 91銘柄 | - |
東証プライム市場はほぼ全面安でした。海運、非鉄金属、不動産など景気敏感セクターに売りが広がり、投資家の警戒感の強さが数字にも表れています。
米国市場の影響

前週末20日の米国市場では、ダウ平均、ナスダック総合指数、S&P500種株価指数がそろって下落しました。半導体株で構成するSOX指数も大きく下げ、日本の半導体関連株に逆風となりました。
市場が重く見たのは、中東情勢の悪化で原油価格が上昇し、インフレ圧力が再び強まる可能性です。これにより、FRBの追加利下げ観測は後退しました。株式市場では「金利が下がるから株が買われる」という期待が弱まり、グロース株中心に売りが出やすくなりました。
東京市場でもこの流れをそのまま引き継ぎました。アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリングなど日経平均への寄与度が大きい銘柄が下げ、指数全体を強く押し下げました。
東京市場の動き
寄り付きから売りが先行し、日経平均は一時2100円安で始まりました。10時台には先物主導で売りがさらに膨らみ、一時2600円超安まで下げ幅を拡大しました。節目の5万円が意識される場面では、海外短期筋とみられる先物買いも入りましたが、現物株の戻り買いは鈍く、相場全体の地合い改善にはつながりませんでした。
日経平均は一時5万0688円まで下落しました。これは数字だけを見るとかなり大きな下げですが、背景には単なる利益確定売りではなく、原油高・金利上昇・地政学リスクという複数の悪材料が重なっていた点があります。

きょうの下落は、ひとつの材料だけで説明できる相場ではありません。原油、金利、中東情勢、半導体安が同時に重なったため、買い向かう投資家も手を出しにくい空気でした。こうした日は、値ごろ感だけで飛びつくより、相場全体の落ち着きを確認する姿勢が大切です。
為替市場の動向
外国為替市場では、23日正午時点で1ドル=159円51〜53銭と、前営業日19日夕方時点より31銭の円安・ドル高となりました。原油高によって日本の貿易赤字拡大が意識され、円売りが出やすくなりました。
円相場は一時、財務官発言を受けて159円02銭近辺まで円高方向に振れる場面もありましたが、その後は再び159円台半ばまで押し戻されました。輸入企業の実需のドル買い観測も相場の重荷になりました。
ユーロ円は1ユーロ=184円18〜21銭まで円安が進み、ユーロドルも1.1546ドル近辺まで上昇しました。欧州でもインフレへの警戒が意識され、通貨市場でも物価動向が主役になっています。
個別銘柄の動き
前場の主な下落銘柄は、アドバンテスト、ファーストリテイリング、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、中外薬でした。特にアドバンテストは日経平均の下げ寄与が大きく、指数下落の象徴的な存在となりました。
一方で、第一三共、テルモ、KDDI、ZOZOなどは上昇しました。相場全体が大きく崩れる局面では、医薬品や通信など業績の安定感が意識されやすく、資金の逃避先になりやすい傾向があります。
| 銘柄 | 動き | 見方 |
|---|---|---|
| アドバンテスト | 大幅安 | SOX安と半導体売りの直撃 |
| 東京エレクトロン | 下落 | 半導体セクター全体の地合い悪化 |
| ファーストリテイリング | 下落 | 値がさ株売りで指数押し下げ |
| 第一三共 | 上昇 | ディフェンシブ性に資金 |
| テルモ | 上昇 | 医療関連への逃避買い |
人気のテーマ
| テーマ | きょうの見方 | 関連の見方 |
|---|---|---|
| 防衛 | 中東情勢の緊迫で関心継続 | 物色は入るが全体地合い悪化で選別色が強い |
| 原油・資源 | WTI一時100ドル超で注目 | 原油ETFや資源関連に資金が向かいやすい |
| 半導体 | SOX安で逆風 | 指数下落の主因になりやすい局面 |
| データセンター・光通信 | 中長期の需要期待は継続 | 全体相場が落ち着けば見直し余地 |
| ディフェンシブ(医薬品・通信) | 下げ相場で相対優位 | 資金の避難先として意識 |
注目銘柄
| 銘柄 | コード | 注目理由 |
|---|---|---|
| アドバンテスト | 6857 | 日経平均への下げ寄与が大きく、相場の象徴銘柄 |
| 東京エレクトロン | 8035 | 半導体株全体のセンチメントを映しやすい |
| 第一三共 | 4568 | 全面安のなかで逆行高を維持 |
| テルモ | 4543 | 下げ相場で資金の逃避先として意識 |
| KDDI | 9433 | ディフェンシブ株の底堅さを確認する材料 |
「東京エレクトロン」や「アドバンテスト」のような大型株も魅力的ですが、個人投資家が大きな利益を狙うなら、「次に資金が流入する中小型株」の先回りが欠かせません。
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今日の主要経済ニュース
| 時刻 | 国・地域 | 内容 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|---|
| 14:00 | シンガポール | 2月CPI(前年比) | 1.2% | 1.4% |
| 23:00 | 米国 | 1月建設支出(前月比) | 0.1% | 0.3% |
| 24:00 | ユーロ圏 | 3月消費者信頼感指数(速報) | -14.2 | -12.2 |
まとめ
23日前場の東京市場は、中東情勢の緊迫化による原油高と、そこから波及した米利下げ観測の後退が重なり、日経平均が一時5%安となる厳しい地合いでした。半導体と値がさ株の下げが大きく、指数全体を押し下げました。
ただ、全面安のなかでも第一三共やテルモ、KDDIのように底堅さを見せる銘柄はありました。相場全体が不安定な時ほど、指数の勢いだけでなく、どの業種に資金が逃げているかを見ることが重要です。24日朝にかけてはホルムズ海峡を巡る報道や原油相場の動きが、引き続き最大の焦点になりそうです。





