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7〜9月期の決算発表が本格化し、電子部品メーカーの数字にも注目が集まっています。スマホやディスプレイ向けの需要が一服するなかで、医療機器や産業機器など「用途を広げられた会社」と「そうでない会社」の差が、決算で見えはじめています。
今回取り上げるのは、フレキシブル基板(FPC)を主力とする太洋テクノレックス(6663)です。同社は10月26日の取引終了後に第3四半期決算を発表し、累計の営業利益・経常利益がすでに通期予想を上回ったことを明らかにしています。株価は300円台で、1単元3万円台から買える水準です。
この記事では、黒字転換の中身がどの事業から来ているのか、通期予想が据え置かれた理由、そして減配予想や第4四半期への依存度といった注意点を、決算短信の数字にもとづいて整理していきます。
※本記事中の株価・時価総額・PBRは2026年10月26日終値をもとにした目安、業績数値は同社が2026年10月26日までに開示した決算短信・適時開示にもとづくものです。実際の株価は日々変動します。ご覧いただいているタイミングの最新情報は、証券会社の取引ツールや同社のIR情報でご確認ください。
太洋テクノレックス(6663)とは?―和歌山発のフレキシブル基板メーカー
| 株価 | 327円(2026年10月26日終値) |
| 1単元購入代金 | 32,700円(100株) |
| 業種 | 電気機器(東証スタンダード) |
| PER | 約26.2倍(会社予想EPS 12.50円で計算) |
| PBR | 約0.69倍(2026年9月20日時点の自己資本で計算) |
| 配当利回り | 約0.92%(今期予想年3円で計算) |
| 時価総額 | 約1,982百万円 |
| 自己資本比率 | 56.4%(2026年9月20日時点) |
太洋テクノレックスは、和歌山県に本社を置く電子基板メーカーです。事業は「電子基板」「テストシステム」「鏡面研磨機」「産機システム」の4つで構成されています。
売上の柱は、薄く曲げられるフレキシブル基板(FPC)などを手がける電子基板事業です。今期第3四半期累計では、売上高28億88百万円のうち20億26百万円(約7割)をこの事業が占めています。基板の通電検査機や外観検査機(テストシステム)、研磨装置なども自社で手がけているのが特徴です。
太洋テクノレックスの直近業績―第3四半期で各利益が黒字転換
同社が10月26日に発表した2026年12月期第3四半期累計(2025年12月21日〜2026年9月20日)の決算は、売上高28億88百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益1億39百万円(前年同期は33百万円の赤字)でした。経常利益も1億39百万円、純利益は74百万円と、各段階で黒字に転換しています。
通期予想は売上高48億73百万円、営業利益1億21百万円、純利益75百万円で、据え置かれました。前期の営業利益は1億42百万円だったため、計画上は減益の見通しのままです。
注目したいのは、累計の営業利益がすでに通期予想の約115%に達している一方、売上高の進捗率は約59%にとどまっている点です。会社は第4四半期に見込む案件の受注時期・検収時期に不確定な要素があるとして、予想の修正を見送ったと説明しています。
今注目される材料―太洋テクノレックスの「利益率の改善」
黒字転換をけん引したのは電子基板事業です。売上高は20億26百万円(前年同期比18.7%増)、セグメント利益は4億36百万円(同42.7%増)と、増収幅を上回るペースで利益が伸びています。
決算短信では、ディスプレイ向けFPCは減ったものの、医療機器・カメラ・産業機器メーカー向けの量産案件の受注が増えたと説明しています。外部に委託していた量産品が減り、自社で製造する製品の売上が増えたことも、利益率の改善につながったとしています。
テストシステム事業も、FPC向け通電検査機やセラミックス基板向け外観検査機が伸び、売上高は2億89百万円(同31.7%増)、赤字幅は87百万円から48百万円に縮小しました。会社は、第4四半期に電子基板の受注増と検査装置の売上増を見込んでいるとしています。
注目ポイント
- 用途の分散が進んだ電子基板:ディスプレイ向けが減るなかで、医療機器・カメラ・産業機器向けの量産案件が伸び、セグメント利益は前年同期比42.7%増となっています。
- 利益は通期予想を超過:第3四半期累計の営業利益1億39百万円は、据え置かれた通期予想1億21百万円をすでに上回っています。
- PBRは1倍を下回る水準:9月20日時点の自己資本で計算したPBRは約0.69倍です。一方でPERは約26倍あり、利益水準からみると割安とはいえない面もあります。
太洋テクノレックスに投資する前に知っておきたいリスク
リスク
- 売上計画は第4四半期頼み:通期の売上高予想を達成するには、第4四半期だけで約19億85百万円が必要です。これは第3四半期までの四半期平均の約2.1倍にあたり、案件の後ずれがあれば計画に届かない可能性があります。
- 減配予想:今期の配当予想は年3円で、前期の年6円から半減する見通しです。配当利回りは1%を下回っています。
- 赤字事業と小型株ならではの値動き:テストシステム事業は赤字が続き、産機システム事業は前年の大型案件の反動で売上高が38.4%減っています。時価総額は約20億円と小さく、出来高が少ない日は株価が大きく動きやすい点にも注意が必要です。

まとめ―太洋テクノレックスは第4四半期の売上計上が焦点
材料面では、医療機器・カメラ・産業機器向けの量産案件と自社製造品の増加で電子基板事業の利益率が上がり、第3四半期累計の営業利益が通期予想を上回ったことが挙げられます。PBRは約0.69倍と、純資産に対して株価が低い水準にあります。
懸念面では、売上計画の多くを第4四半期に頼っていること、通期予想が減益のまま据え置かれていること、年3円への減配予想が挙げられます。PERは約26倍で、利益の伸びが続くかどうかが評価の分かれ目になりそうです。
同社は12月20日が決算日で、前期の本決算は2026年1月30日に発表されています(今期の発表日は記事作成時点で未公表)。本決算での売上高の着地、予想修正の有無、来期の配当方針を確認しておきたいところです。

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