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今日のテーマは「外食・喫茶チェーンの中間決算」です。人件費や原材料費の上昇が続くなかで、外食各社の4〜9月期決算が出そろい始めており、コスト増を売上で吸収できているかどうかが注目されています。
取り上げるのは、「喫茶室ルノアール」などを展開する銀座ルノアール(9853)です。
同社は11月5日に中間決算を発表し、経常利益は前年同期比25.7%増となりました。第1四半期(4〜6月)は減益だったため、7〜9月の3か月で流れが変わった点が、今日のテーマと重なります。
この記事では、減益スタートからどう持ち直したのか、通期予想に対してどこまで進んでいるのか、そして株価指標やコスト面の懸念を、決算短信の数字をもとに整理します。
※本記事中の株価・時価総額・PBRは2026年11月5日終値をもとにした目安、業績数値は同社が2026年11月5日までに開示した決算短信・適時開示にもとづくものです。実際の株価は日々変動します。ご覧いただいているタイミングの最新情報は、証券会社の取引ツールや同社のIR情報でご確認ください。
銀座ルノアール(9853)とは?―都心の駅前に103店舗を構える老舗喫茶チェーン

| 項目 | |
|---|---|
| 株価 | 908円(2026年11月5日終値) |
| 1単元購入代金 | 約9万800円(100株) |
| 業種 | 小売業(東証スタンダード) |
| PER | 約13.3倍(会社予想EPS 68.18円ベース) |
| PBR | 約1.67倍(2026年9月末の自己資本から概算) |
| 配当利回り | 約0.55%(年5円予想) |
| 時価総額 | 約5,677百万円 |
| 自己資本比率 | 60.0%(2026年9月末) |
銀座ルノアールは、「喫茶室ルノアール」を中心に、「ミヤマ珈琲」「カフェ・ルノアール」「ニューヨーカーズ・カフェ」、ベーカリーの「BAKERY HINATA」などを運営しています。事業は喫茶等事業の単一セグメントで、2026年9月末の店舗数は103店舗です。
売上の柱は店舗での飲食売上そのものです。ゆったり座れる喫茶室という業態のため、駅前の立地と、打ち合わせや休憩で長く使ってもらう需要が収益の土台になっています。
銀座ルノアールの直近の業績―第1四半期の減益から中間期は増益に
2027年3月期の中間期(2026年4〜9月)は、売上高4,225百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益152百万円(同31.7%増)、経常利益180百万円(同25.7%増)、中間純利益164百万円(同29.5%増)でした。
一方、8月に発表された第1四半期(4〜6月)は、売上高こそ1.9%増でしたが、営業利益は62百万円で前年同期比22.1%減でした。
同社は人件費や原材料費の上昇を減益の理由に挙げています。中間期の数字から第1四半期を差し引くと、7〜9月の3か月の営業利益は約90百万円(前年同期は約37百万円)、経常利益は約99百万円(同約50百万円)となり、ここで大きく持ち直した形です。
通期予想は売上高8,609百万円(前期比3.1%増)、営業利益399百万円(同104.2%増)、経常利益461百万円(同84.1%増)で、5月公表から修正はありません。中間期時点の進捗率は営業利益で約38%、経常利益で約39%にとどまっており、下期に利益が偏る計画です。
銀座ルノアールが今注目される材料―7〜9月期の回復と集客施策
材料の中心は、11月5日に発表された中間決算です。株探ニュースでは「上期経常が26%増益で着地・7-9月期も98%増益」と報じられており、第1四半期の減益から一転した点が意識されています。
決算短信では、喫茶室ルノアールでの「モーニングA無料キャンペーン」による午前中の集客、ミヤマ珈琲・カフェ・ルノアールのグランドメニューの一部刷新、公式アプリ7万ダウンロード記念のクーポン配信などの取り組みが説明されています。ただし、客数や客単価、既存店売上の数字は資料に記載がなく、どの施策がどれだけ効いたかまでは確認できませんでした。
財務面では、自己資本比率が2026年3月末の56.2%から9月末に60.0%へ上がり、借入金合計も1,533百万円から1,358百万円に減っています。コスト高のなかで外食各社の収益力に差が出やすい局面だけに、利益を伸ばしながら財務も改善している点は、テーマとのつながりで見ておきたいところです。
- 7〜9月で利益が回復:第1四半期は営業22.1%減益でしたが、中間期では営業31.7%増益に転じました。
- 通期は大幅増益の計画:営業利益は前期の195百万円から399百万円へ、ほぼ倍増の予想を据え置いています。
- 財務の改善:自己資本比率は60.0%(2026年9月末)に上がり、借入金も半年で約175百万円減りました。
銀座ルノアールに投資する前に知っておきたいリスク
- 下期偏重の通期計画:中間期の営業利益の進捗率は約38%です。予想どおりに着地するには、下期だけで約247百万円の営業利益が必要になります。
- 人件費・原材料費の上昇:同社自身が、人手不足による人件費増や原材料・エネルギーコストの高止まりを挙げています。第1四半期の減益もこの影響によるものでした。
- 減損と株価指標:前期は減損損失203百万円を計上しており、不採算店舗が出れば利益を押し下げます。またPBRは約1.67倍、配当利回りは約0.55%で、資産や配当の面で割安とは言いにくい水準です。
まとめ―銀座ルノアールは「下期の利益の積み上げ」が確認点
材料面では、第1四半期の減益から7〜9月で利益が持ち直し、中間期は営業31.7%増益となりました。通期で営業利益がほぼ倍増する計画を据え置き、自己資本比率の上昇や借入金の減少など財務も改善しています。
懸念面では、通期計画の進捗率が4割弱で下期の積み上げが前提になっていること、人件費や原材料費の上昇が続いていること、前期に減損があったことが挙げられます。PBRや配当利回りから見ると、指標面の割安さを理由にできる銘柄ではありません。
次回の第3四半期決算は、前年は2月5日に発表されており、例年どおりなら2月上旬が見込まれます(2026年11月6日時点で日付は確認できませんでした)。その決算で、4〜12月累計の営業利益が通期予想399百万円に対してどこまで進んでいるかを見ておきたいところです。
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