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生成AIの開発や推論に使うGPU(画像処理半導体)の計算力を、国内のデータセンターでどう確保するかが株式市場の大きなテーマになっています。
10月21日の取引終了後には、東証グロース上場のイオレが、NVIDIAの最新世代GPUを搭載した「NVIDIA HGX B300」システムの受注を開始したと発表しています。
今回取り上げるのは、このイオレ(2334)です。もともとは求人広告などのネット事業の会社ですが、現在は売上の大半をGPUサーバー販売を含む「AIデータセンター事業」が占めており、テーマとの結びつきが数字で確認できる銘柄です。
株価は500円台で、100株なら5万円台から買える水準にあります。
この記事では、イオレの事業の中身、直近の業績と通期計画の進み具合、10月に相次いだ材料、そして暗号資産の保有や株式交換など、投資前に知っておきたいリスクを順に整理します。
※本記事中の株価・時価総額・PBRは2026年10月21日終値をもとにした目安、業績数値は同社が2026年10月21日までに開示した決算短信・適時開示にもとづくものです。実際の株価は日々変動します。ご覧いただいているタイミングの最新情報は、証券会社の取引ツールや同社のIR情報でご確認ください。
イオレ(2334)とは?―求人広告の会社からAIデータセンター事業が主力に

- 株価542円(2026年10月21日終値)
- 1単元購入代金54,200円(100株)
- 業種サービス業(東証グロース)
- PER約17.5倍(会社予想EPS30.96円で算出)
- PBR約5.3倍(2026年6月末の自己資本をもとに算出した目安)
- 配当利回り0.00%(無配予想)
- 時価総額約23,349百万円
- 自己資本比率35.7%(2026年6月末)
イオレは2001年設立の会社で、運用型求人広告「HR Ads Platform」などのネット事業を長く手がけてきました。
現在のセグメントは「AI UI事業」(広告・HRなど)、「AI DC事業」(GPUサーバー販売やAIデータセンター開発支援)、「オンチェーン金融事業」(暗号資産関連)の3つです。
2026年4〜6月期の売上高6,174百万円のうち、AI DC事業が5,225百万円と約85%を占めています。
一方、従来の柱だったAI UI事業の売上は868百万円で、前年同期比0.8%減と横ばい圏にとどまっています。
イオレの直近業績―売上は急拡大、利益は通期計画に対してまだ序盤
2027年3月期第1四半期(4〜6月)は、売上高6,174百万円、営業利益149百万円でした。
決算補足資料では、前年同期(売上高1,125百万円、営業利益42百万円)と比べて売上は約5.5倍、営業利益は約3.5倍と示されています。
ただし、経常利益は32百万円、四半期純利益は17百万円で、いずれも前年同期を下回りました。
暗号資産の評価損132百万円を営業外費用に計上したことが、営業利益との差につながっています。
通期予想は売上高25,552百万円(前期比80.4%増)、営業利益1,142百万円(同441.2%増)で、5月15日の公表から修正はありません。
第1四半期時点の進捗率は、売上高で約24%、営業利益で約13%です。前期(2026年3月期)は売上高14,160百万円、営業利益211百万円、最終損益は528百万円の赤字でした。
イオレに今注目される材料―HGX B300の受注開始と液浸冷却企業の子会社化
10月21日、イオレは戦略的パートナーのデジタルダイナミックと連携し、「NVIDIA HGX B300」システムの受注を開始したと発表しています。
イオレが販売と需要家との契約窓口を担い、デジタルダイナミックがデータセンターへの設置・運用を担う役割分担です。
設置先は、福島県双葉町に建設中の「分散型AIデータセンター東北リージョン福島双葉町DC」(受電規模2MW、最大128台収容)で、2026年11月の運用開始が予定されています。
発表では、顧客から96台規模の利用を想定した相談があったとし、HGX B300の稼働開始は2026年内を目指すとしています。業績への影響額は示されていません。
これに先立つ10月15日には、AIサーバー販売や液浸冷却ソリューション「IMMERSIA」を手がけるWOODMAN株式会社を、株式交換で完全子会社化すると発表しています。
WOODMANの2026年9月期の売上高は12,845百万円の見込みとされており、11月27日予定の臨時株主総会での承認を経て、11月30日に効力が発生する予定です。
- GPU需要との直結:売上の約85%をAI DC事業が占めており、国内のAI計算力需要の動向が業績に反映されやすい構造です。
- 具体的な案件の進展:双葉町DCは11月運用開始予定、HGX B300は96台規模の相談があったと発表されており、年内稼働に向けた進み具合を追いやすい材料です。
- 冷却技術の取り込み:WOODMANの子会社化により、GPUの発熱対策として注目される液浸冷却をグループ内に持つことになります。
イオレに投資する前に知っておきたいリスク
- 暗号資産価格の影響:169.5BTCなどの暗号資産を保有・貸付しており、第1四半期には評価損132百万円を計上しています。本業が伸びても、相場次第で経常利益・純利益が大きくぶれる可能性があります。
- 株式の希薄化と株主構成の変化:WOODMANとの株式交換で3,436,428株(発行済株式の7.97%)を新たに交付する予定で、JAIC-Web3ファンドと吉田直人氏は主要株主に該当しなくなる見込みとされています。
- 利益率の低さと計画の後半偏重:GPUサーバー販売は売上が大きい一方、第1四半期の営業利益率は約2.4%です。通期営業利益の約87%を第2四半期以降で積み上げる必要があり、PBRも約5.3倍と純資産に比べて高い評価になっています。
まとめ―イオレはGPU案件の稼働と暗号資産の影響を分けて確認したい銘柄
材料面では、HGX B300の受注開始、双葉町DCの11月運用開始予定、液浸冷却を手がけるWOODMANの子会社化と、AIデータセンター関連の発表が10月に相次いでいます。売上の大半をAI DC事業が占めているため、テーマとのつながりは数字で確認できます。
懸念面では、暗号資産の評価損益による利益のぶれ、株式交換による新株交付、通期営業利益の多くを下期に積み上げる計画であることが挙げられます。
次回の第2四半期決算の発表日は、執筆時点では確認できませんでした。決算では営業利益の進捗率が通期計画の半分に近づいているか、11月27日予定の臨時株主総会で株式交換が承認されるか、HGX B300の稼働が年内に始まるかを確認しておきたいところです。
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