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今日のテーマは「ゲーム・アニメIPの二次利用」です。10月30日の引け後は中間決算の発表が集中し、なかでも新作に頼らず既存のIPで稼いだ会社の大幅増益が目立ちました。
取り上げるのは、「牧場物語」シリーズや「プリキュア」の舞台・映画などを手がける「マーベラス(7844)」です。
同社は10月30日、売上が減るなかで営業利益が前年同期の約12倍になったと発表しており、IPの使い回しで稼ぐモデルが数字に表れた例として選びました。
この記事では、増益の中身が「続く利益」なのか「一時的な利益」なのかを切り分け、通期予想を据え置いた理由と、下期に控える新作のリスクまで分析しました。
※本記事中の株価・時価総額・PBRは2026年10月30日終値をもとにした目安、業績数値は同社が2026年10月30日までに開示した決算短信・適時開示にもとづくものです。実際の株価は日々変動します。ご覧いただいているタイミングの最新情報は、証券会社の取引ツールや同社のIR情報でご確認ください。
マーベラス(7844)とは?―ゲーム・アミューズメント・舞台の3本柱でIPを回す会社

| 項目 | |
|---|---|
| 株価 | 537円(2026年10月30日終値) |
| 1単元購入代金 | 53,700円(100株) |
| 業種 | 情報・通信業(東証プライム) |
| PER | 約15.4倍(会社予想EPS 34.76円で計算) |
| PBR | 約1.1倍(2026年9月末の自己資本で計算) |
| 配当利回り | 約2.8%(年15円予想) |
| 時価総額(百万円) | 約30,723(発行済株式数57,213,059株で計算) |
| 自己資本比率 | 76.3%(2026年9月末) |
マーベラスの事業は、家庭用・スマホ向けゲームの「デジタルコンテンツ」、ゲームセンター向け機器の「アミューズメント」、舞台・アニメ・音楽の「音楽映像」の3つです。代表的なIPに「牧場物語」「ルーンファクトリー」「閃乱カグラ」などがあります。
2026年4〜9月期の売上高140億4,700万円のうち、デジタルコンテンツが66億1,600万円、アミューズメントが55億4,400万円、音楽映像が18億8,700万円でした。1つのIPをゲーム・グッズ・舞台・配信へ広げて稼ぐ形が同社の特徴です。
マーベラスの中間決算―売上3割減でも営業利益は約12倍
同社が10月30日に発表した2026年4〜9月期の連結決算は、売上高140億4,700万円、営業利益27億2,400万円、経常利益29億2,000万円、中間純利益21億600万円でした。
減収の理由は、前年同期のような大型新作の発売がなかったことです。そのぶん大規模な開発費や広告費がかからず、デジタルコンテンツ部門は前年同期の10億7,000万円の赤字から13億2,900万円の黒字に転じました。
通期予想は据え置きです。中間純利益の時点で通期予想を上回っていますが、会社は「下期の新作の販売動向などで寄与に幅が生じうる」として修正を見送り、見直しが必要なら速やかに公表するとしています。
今注目される材料―海外インディー作品とアニメ二次利用が稼ぎ頭に
決算説明資料によると、増益をけん引したのは海外子会社から発売した『Moonlight Peaks』の販売好調、『牧場物語』など既存作品のリピート販売、アニメの二次利用収入です。gamebiz.jpは、アニメの二次利用収入が「過去最大規模で推移」したと報じています。
音楽映像部門も、映画『名探偵プリキュア!』などプリキュア作品が好調で、セグメント利益は7億3,500万円でした。新作を出さなくても既存IPから利益が出たことは、今日のテーマである「IPの二次利用」が数字に表れた部分です。
下期には、年内配信予定のスマホゲーム『シノビNEXUS -閃乱カグラ-』(事前登録は計画を上回ると会社は説明)、2027年2月4日発売の『朧村正怪奇譚』、3月4日発売の『ETERNAL ANIMA』が控えています。
- 新作なしでも黒字:基幹タイトルの発売がない期に、デジタルコンテンツ部門が13億2,900万円の黒字を出しました。既存作品と海外インディー作品で稼げることを示した決算です。
- 通期予想に対する進捗:上期の営業利益は通期予想30億円の約9割、純利益は通期予想20億円を超えています。予想の扱いが今後の焦点になります。
- 下期の新作3本:『シノビNEXUS』『朧村正怪奇譚』『ETERNAL ANIMA』が年内〜2027年3月に順次登場します。IPを増やせるかどうかを見る材料です。
マーベラスに投資する前に知っておきたいリスク
- 経常利益に一時的な評価益:決算説明資料では、経常利益の伸びに自社株の差金決済型先渡取引にともなうデリバティブ評価益などが含まれると説明されています。本業の稼ぐ力は営業利益で見る必要があります。
- 下期に費用が集中:研究開発費や広告宣伝費の一部が下期に後ろ倒しになったと会社は説明しています。新作発売に合わせて費用が増えるため、上期の利益率が下期も続くとは限りません。
- アミューズメントは減益:アミューズメント部門のセグメント利益は14億4,700万円で、前年同期比15.0%減でした。好調な部門ばかりではない点に注意が必要です。
まとめ―マーベラスは「IPで稼ぐ力」と「下期の新作」の両方を確認したい銘柄
材料面では、新作のない期に営業利益が約12倍となり、既存作品・海外インディー作品・アニメ二次利用で稼げることを示しました。PBRは約1.1倍、配当は年15円予想で、自己資本比率76.3%と財務も厚めです。
懸念面では、経常利益に一時的な評価益が含まれること、後ろ倒しにした費用が下期に乗ること、会社自身が新作の寄与に幅があるとして予想を据え置いたことが挙げられます。
次に確認したいのは、第3四半期決算での部門別利益と、通期予想の修正の有無です。次回決算の発表日は執筆時点で確認できなかったため、同社のIRページでご確認ください。
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