
目次
中間決算の発表が集中した11月2日は、UBEやレンゴー、ニチダイなど、業績予想を引き上げる発表が相次いだと報じられています。今日は、その中から「自動車部品の金型をつくる会社の業績回復」をテーマに取り上げます。
銘柄は、冷間鍛造金型を手がける「ニチダイ(6467)」です。同社は11月2日、通期の営業利益予想を1億5,000万円から4億5,400万円へ引き上げ、増配も発表しました。前期は営業赤字だった会社が、中間期で金型・精密部品・フィルタの3事業すべてを黒字にした点が、テーマと直結する理由です。
この記事では、上方修正の中身が売上の伸びによるものか一時的な利益によるものかを分けたうえで、受注の状況、株価指標の水準、そして自動車業界に依存する事業ならではのリスクを整理します。
※本記事中の株価・時価総額・PBRは2026年11月2日終値をもとにした目安、業績数値は同社が2026年11月2日までに開示した決算短信・適時開示にもとづくものです。実際の株価は日々変動します。ご覧いただいているタイミングの最新情報は、証券会社の取引ツールや同社のIR情報でご確認ください。
ニチダイ(6467)とは?―自動車部品の「型」と金属フィルターの会社

| 項目 | |
|---|---|
| 株価 | 375円(2026年11月2日終値) |
| 1単元購入代金 | 37,500円(100株) |
| 業種 | 機械(東証スタンダード) |
| PER | 約8.4倍(修正後の会社予想ベース) |
| PBR | 約0.31倍(2026年9月末の自己資本から算出) |
| 配当利回り | 約2.13%(年間8円の会社予想ベース) |
| 時価総額 | 約3,395百万円(発行済株式数ベース) |
| 自己資本比率 | 76.5%(2026年9月末) |
ニチダイは、金属を常温で押し固めて部品の形をつくる「冷間鍛造」に使う金型を主力とする会社です。
事業は、自動車部品用の金型をつくる「金型」、鍛造部品の量産やターボチャージャー部品の組立てを行う「精密部品」、高強度・耐熱・耐酸性の金属フィルターを幅広い産業に提供する「フィルタ」の3つに分かれています。
今期の会社計画では、売上高126億円のうち金型が約54億円、精密部品が約43億円、フィルタが約29億円と、売上の柱は自動車向けの2事業です。日本のほかタイにも拠点を持ち、2026年7月にはインドでの合弁会社への出資完了を発表しています。
ニチダイの直近の業績―中間期は3事業とも黒字に
2026年4〜9月期(中間期)の連結売上高は62億2,600万円で、前年同期比11.1%増でした。営業利益は2億5,400万円と、前年同期の2億3,800万円の赤字から黒字に転換しています。
事業別では、金型が国内向けの大幅増収で16.6%増、フィルタが国内・海外とも伸びて28.0%増でした。一方、精密部品は海外向けの低迷で4.0%減でしたが、セグメント利益は3事業すべて黒字です。会社は利益改善の要因として、増収、製品構成の改善、固定費の削減を挙げています。
通期予想は、売上高を116億5,000万円から126億円へ、営業利益を1億5,000万円から4億5,400万円へ修正しました。前期(2026年3月期)は4億800万円の営業赤字だったため、修正どおりなら黒字転換となります。中間期時点の営業利益の進捗率は約56%です。
ニチダイが今注目される材料―上方修正と受注残の積み上がり
直接の材料は、11月2日に発表した業績予想の修正と増配です。中間配当を従来予想の2円から4円に引き上げ、年間配当は前期の4円から8円になる予定です。発表当日の後場には一時ストップ高をつけたと報じられています。
数字の裏付けとして見ておきたいのが受注です。中間期の受注高は68億5,800万円(前年同期54億1,800万円)、受注残高は37億3,900万円(同27億2,600万円)と、いずれも前年を上回っています。会社資料では、新しい領域として「半導体封止金型」の受注を獲得したことも増益要因の一つに挙げられています。
- 本業の黒字化:営業利益は前年同期の赤字から2億5,400万円の黒字に転換し、増収と固定費削減という本業の改善が主な要因とされています。
- 受注残の増加:受注残高は37億3,900万円と前年同期を約10億円上回り、下期の売上の見通しを支える材料になっています。
- 自動車以外への広がり:フィルタ事業の28.0%増収や半導体封止金型の新規受注など、自動車向け以外の売上が育つかが今後の焦点です。
ニチダイに投資する前に知っておきたいリスク
- 自動車業界への依存:金型と精密部品は自動車向けが中心で、主要顧客である日系自動車メーカーの生産動向や構造改革の影響を受けやすい事業です。精密部品は中間期も海外向けの低迷で減収でした。
- 純利益には一時的な要因:中間純利益3億4,200万円には、繰延税金資産にかかわる法人税等調整額(益)1億2,100万円が含まれています。固定資産の売却益も計上されたと報じられており、本業の実力は営業利益で見る必要があります。
- 為替とコストの前提:通期計画は1米ドル158円を前提にしています(修正前は150円)。円高への振れや、会社が課題に挙げる材料費・エネルギー費の上昇は、計画を下振れさせる要因になります。
まとめ―ニチダイは「黒字化が続くか」を確かめる段階
ニチダイは、中間期に3事業すべてが黒字となり、通期の営業利益予想を約3倍に引き上げました。受注残の増加や半導体封止金型の新規受注など、売上の伸びを裏付ける材料もそろっています。
一方で、売上の多くは自動車向けで、精密部品の海外向けは低迷が続いています。純利益には税効果などの一時的な要因も含まれるため、利益水準がこのまま定着するかは、まだ見極めが必要です。
次の確認ポイントは、2027年2月上旬に予定されている第3四半期決算です。営業利益の進捗が通期予想4億5,400万円に沿っているか、受注残高が維持されているかを確かめたいところです。
次なる急騰銘柄をお探しの方必見!
今なら無料で急騰期待の銘柄がもらえる!



