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佐藤 真理子 (運営者責任者)です。 金融業界出身。これまでに200社以上の投資顧問・株情報サイトを検証し、体験に基づく中立的なレビューを発信しています。
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この記事では、2026年以降の成長テーマとして、なぜ今レアアースに注目が集まっているのかを解説します。
投資家の関心が次のテーマへ移る中、ハイテク産業を支える『レアアース(希土類)』の重要性が急速に高まっています。
レアアースは、国家の産業競争力と直結する『戦略物資』です。
スマートフォン、EVモーター、データセンター、ロボティクスなど、先端分野の多くはレアアースなしでは成立しません。
日本政府は、重要鉱物を「経済安全保障」「供給網強靭化」の観点から位置づける動きを強めています。
中でも南鳥島周辺のレアアース泥については、「実際に使える資源になるか」を確認するため、段階的な実証を行い、将来的な商業化を目指す構想が示されています。
本記事では、レアアースについて以下の内容を掘り下げてご紹介します。
- レアアースを取り巻く環境(なぜ供給不安が起きるのか)
- 日本の供給戦略「3本柱」
- 3本柱と接続しやすい注目銘柄6社
- 特に注目したい主要2社の見どころ
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すでに多くの個人投資家が、AIを前提に投資判断を行う時代に入っているのです。
この流れに乗り遅れ、気づかないうちに機会損失を重ねないためにも、いま主流となっている投資スタイルを一度確認してみてください。
レアアースを取り巻く環境と、日本の供給戦略「3本柱」

レアアースは「掘る」より「分ける・精製する」がボトルネック
レアアースは、採掘後の『分離・精製(加工)』が難しく、ここに高度な技術と設備が必要です。
その結果、上流から下流まで特定地域に供給が偏りやすく、地政学リスクが価格と調達に直結します。
一般的に、レアアースは鉱石の生産段階から中国への依存度が高く、分離・精製といった下流工程では、その集中度がさらに高いと指摘されています。

「鉱石は約7割、精錬は約9割が中国」と言われるのは、この偏った供給構造が背景にあります。
日本の供給戦略「3本柱」
2010年の対日輸出停止をきっかけに、日本は供給リスクと本格的に向き合うようになりました。現在は、次の「3本柱」を中核にした戦略が整理されています。
① 海外調達先の多角化
オーストラリア、ベトナムなど、非中国地域からの調達比率を高める取り組みです。中国依存を下げることが最大の目的です。
② 都市鉱山リサイクル
日本には電子機器が集積しており、使用済み製品から重要鉱物を回収する「都市鉱山」は現実的な選択肢です。回収・選別・再資源化の技術は、日本企業の競争領域になりやすい点もポイントです。
③ 国内資源:南鳥島レアアース泥
近年は、探査から製錬・精製までを含めた一連の実証を行い、商業化を目指す方針が示されています。

ロードマップのイメージとしては、概ね次の段階です。
- 2026年:情報収集・調査、実証準備(社会実装の形を固める作業も含む)
- 2026〜2027年:採鉱・揚泥、一次処理などの実証(段階的に試験を進める想定)
- 2028年度以降:商業生産を視野に、生産体制の整備・社会実装へ
レアアース関連 注目銘柄6選
ここでは、日本の供給戦略「3本柱」との関係性を軸に、テーマとの結びつきが比較的わかりやすい中小型株を中心に整理しました。
| コード | 企業名 | 主な関与領域 | 関連しやすい「3本柱」 | 概要(要点) | 公式サイト |
|---|---|---|---|---|---|
| 5714 | DOWAホールディングス | 製錬/リサイクル(非鉄・貴金属・環境領域) | 都市鉱山リサイクル/(将来的に)国内資源 | 非鉄金属製錬を基盤に、回収から再資源化までを担う資源循環型企業。都市鉱山リサイクルの文脈で評価されやすい。 | 公式 |
| 1515 | 日鉄鉱業 | 鉱山運営(資源事業)/資源開発 | 海外調達の多角化/(将来的に)国内資源 | 地下資源の開発を軸に、資源事業などを展開する総合資源会社。 商業化局面では「鉱山オペレーターとしての実務能力」が注目されやすい。 |
公式 |
| 5715 | 古河機械金属 | 資源開発向け機械/海底鉱物資源開発の技術領域 | (主に)国内資源(周辺技術) | 鉱山開発で培った掘削・搬送などの技術を背景に、海洋鉱物資源の技術開発プロジェクトで名前が挙がるタイプ。 権益というより「採鉱・揚鉱・周辺機材」の文脈でテーマに乗りやすい。 |
公式 |
| 5727 | 東邦チタニウム | チタン(素材)/触媒・化学品 | 資源安全保障(周辺テーマ) | 金属チタンを中心に「チタン事業」「触媒事業」「化学品事業」を展開。 レアアース専業ではない一方、重要鉱物・素材の国内供給力が意識される局面では物色されやすい。 |
公式 |
| 5726 | 大阪チタニウムテクノロジーズ | 高純度チタン(スポンジチタン/インゴット等) | 資源安全保障(周辺テーマ) | スポンジチタンを主力とし、航空機エンジン向け等の高品質チタン供給に関する説明が公式情報にある。 こちらもレアアースそのものではないが、供給網強靭化(素材の国内供給力)という観点でテーマ化しやすい。 |
公式 |
| 5698 | エンビプロ・ホールディングス | 資源循環(リサイクル)/レアアース磁石(ネオジム磁石)リサイクル | 都市鉱山リサイクル | 金属リサイクルを中核に資源循環事業を展開。 HyProMag社と、レアアース磁石リサイクルに関するMOUを公表しており、「廃磁石→再生素材の循環」に接続しやすい。 |
公式 MOU資料(PDF) |
特に注目したい主要2社
① 5714 DOWAホールディングス
DOWAホールディングスは、非鉄金属の製錬・加工・リサイクルを一貫して行う企業です。強みは「集める(回収)」「分ける(選別・製錬)」「再び使う(再資源化)」まで工程を持つ点にあります。
レアアースの話で重要なのは、『鉱石があるか』だけではなく、『分離・精製して使える形にできるか』です。その意味で、製錬・リサイクルの蓄積がある企業は、都市鉱山の文脈で注目されやすい立ち位置になります。
見どころ:レアアース泥(南鳥島)が進むほど、周辺の「製錬・精製」「回収・再資源化」まで含めたサプライチェーン構築が論点になります。
DOWAは『精錬×リサイクル』の文脈でストーリーを組み立てやすい銘柄です。
公式サイト:DOWAホールディングス
② 1515 日鉄鉱業
日鉄鉱業は、地下資源の開発を軸に事業を展開する総合資源会社です。レアアース泥プロジェクトへの参画を公式に表明しているわけではありませんが、商業化が現実味を帯びる局面では『鉱山運営能力を持つ企業』が連想されやすい領域です。
見どころ:テーマ株としては「実際に掘れるのか」「運べるのか」「採算は合うのか」が必ず問われます。
そのとき、市場が「鉱山オペレーター」に注目する局面があり得る、という立て付けです。
公式サイト:日鉄鉱業
その他の注目企業
5698 エンビプロ・ホールディングス(都市鉱山リサイクルの本命寄り)
ネオジム磁石は、EVモーターなどで需要が伸びやすく、供給網の偏在が課題になりやすい分野です。エンビプロはHyProMag社とのMOUを公表しており、「廃磁石→再生素材」の循環モデルがテーマと噛み合います。
5715 古河機械金属(国内資源の「周辺技術」枠)
海底資源の話は、資源そのものだけでなく、掘削・揚泥・搬送・一次処理などの技術がセットで動きます。古河機械金属は、鉱山開発で培った産業機械領域から、海洋鉱物資源関連の文脈で名前が挙がりやすいタイプです。
5727 東邦チタニウム/5726 大阪チタニウムテクノロジーズ(資源安全保障の「素材」枠)
チタンはレアアースではありませんが、供給網強靭化や重要素材の国内供給という文脈で「資源安全保障」テーマに含まれやすい領域です。レアアース泥が進むほど、関連銘柄の物色が「周辺素材」に広がる可能性もあるため、補助線として押さえておく意義があります。
2026年は「資源戦略銘柄」が再評価される可能性
日本の産業を支える重要資源として、レアアースの確保は国家レベルのテーマです。
2026年以降、南鳥島レアアース泥プロジェクトの進展が具体化すれば、関連企業の存在感が強まる可能性があります。
ただし、テーマ株として追う場合は「材料が出た/出ない」で振れやすく、長期の実証フェーズでは見通しの修正も起こり得ます。

そのため、目先の材料だけでなく、「どの工程を担える企業なのか」という視点で、銘柄のストーリーを整理しておくことが重要です。
- 技術力(分離・精製、回収、一次処理など)
- リサイクル能力(都市鉱山の実装力)
- 資源開発・運営の実績(採算とオペレーション)
- 政策との親和性(実証・社会実装の流れに乗れるか)
近年、株式投資の世界では「AIを使う人」と「使わない人」で、5年後に最大1.8倍の資産形成の差が出ています。
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