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2025年3月21日、東京株式市場で日経平均株価は続落で始まったものの、半導体関連株の買い戻しなどを背景に持ち直し、上げ幅を拡大する展開となりました。
円高基調の一服や、ソフトバンクグループによる大型買収の発表が投資家心理を支えています。
この記事では、『東京市場の動向』や『注目銘柄』、『為替』『米国市場の影響』をわかりやすく解説します。
東京株式市場の状況(2025年3月21日)
21日前場中ごろの東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比190円ほど高い3万7900円台前半で推移しています。東京外国為替市場での円高の進行が一服したことや、ソフトバンクグループ(SBG)の上昇が支えとなりました。
10時現在の東証プライムの売買代金は概算で1兆5008億円、売買高は6億9212万株でした。
米国市場の影響
20日の米株式市場では、ダウ平均が11ドル安と小反落。S&P500やナスダック総合も小幅に下落しました。FOMCでは年内2回の利下げ見通しが維持されたものの、トランプ政権による関税政策への警戒感が投資家心理に影を落としています。
ただ、経済指標の一部(中古住宅販売件数、失業保険申請件数)は市場予想を上回り、相場下支え要因となりました。
東京市場の動き
日経平均は前営業日比132円安の3万7619円37銭でスタート。その後、半導体関連株の買いが入ったことで一時120円高の3万7800円台後半まで上昇し、10時時点では190円高の3万7900円台前半で推移しています。
円高による輸出関連株の売りはあるものの、ソフトバンクGや銀行株などが全体を押し上げています。
為替市場の動向
円相場は一時1ドル=148円台後半と前日夕方に比べ円高が進みましたが、その後は上昇一服。輸出企業にとっての採算懸念が和らぎ、株価の下支え要因となっています。
個別銘柄の動き
- 上昇銘柄:
- ソフトバンクグループ(9984):米アンペア・コンピューティングを65億ドルで買収と発表し買いが集中。
- ファーストリテイリング(9983)
- バンダイナムコHD(7832)
- 第一三共(4568)
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):金利上昇を好感。
- 下落銘柄:
- トヨタ自動車(7203):円高で売り先行。
- 信越化学工業(4063)
- ディスコ(6146)
- オリンパス(7733)
- 日東電工(6988)
人気のテーマ
テーマ | 内容 |
---|---|
ソフトバンクGの大型買収 | 米半導体企業アンペアを買収、株価押し上げ要因に。 |
全国CPIの上昇 | 2月CPIが前年比3.0%上昇で、日銀の早期利上げ観測が強まる。 |
銀行株の上昇 | 長期金利上昇により、金融株が物色される。 |
円高進行の一服 | 輸出株にとって安心材料となり、相場を支える。 |
飛び石連休の谷間での様子見ムード | 材料難の中で方向感の乏しい展開が続く。 |
注目の銘柄
銘柄名 | コード | 内容 |
ソフトバンクグループ | 9984 | アンペア買収報道を受け急伸。日経平均を約40円押し上げ。 |
三菱UFJフィナンシャルG | 8306 | 金利上昇を好感し買い継続。 |
ファーストリテイリング | 9983 | 円安期待や消費回復への期待感。 |
カカクコム | 2371 | 業績上方修正を発表し物色対象に。 |
富士通 | 6702 | GaN技術で世界最高効率を達成し注目される。 |
今日の主要経済ニュース
時間(日本時間) | 指標名 | 国 | 内容 |
08:30 | 全国消費者物価指数(CPI、2月) | 日本 | 予想を上回る前年同月比+3.0%の上昇。 |
22:30 | 新規失業保険申請件数 | アメリカ | 労働市場の動向を示す指標。 |
24:00 | 中古住宅販売件数(2月) | アメリカ | 住宅市場の需要状況を確認。 |
まとめ
2025年3月21日の東京株式市場では、日経平均が朝方に続落で始まったものの、その後は上昇に転じています。
ソフトバンクグループによる大型買収発表が株価を押し上げ、銀行株の堅調さも相場の支援材料となりました。円高が一服したことで、輸出関連株への売り圧力もやや和らいでいます。