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2025年4月23日(火)の東京株式市場で、日経平均株価は大幅反発して始まりました。
始値は前日比567円33銭高の3万4787円93銭。その後は上げ幅を広げ、午前9時7分時点で一時921円高の3万5142円をつけ、4月3日以来の3万5000円台を回復する場面がありました。
米株急伸と円安が買い材料に
前日の米株式市場では、ダウ平均が1016ドル(2.66%)高と大幅に反発。米中貿易摩擦の緩和観測が背景にあります。
米ブルームバーグ通信によると、ベッセント米財務長官が『米中の関税交渉の膠着状態は持続不可能』と発言し、市場の楽観ムードを後押ししました。
トランプ米大統領が22日夜、『FRBのパウエル議長を解任する意図はない』と述べたことで、金融政策への過度な警戒が和らぎました。
外国為替市場では円安・ドル高が進行し、朝方には1ドル=143円台まで下落。輸出関連株に追い風となりました。
主力株が全面高、セクター別では輸送用機器・電機が強い
大幅上昇セクター:輸送用機器(トヨタ、ホンダ)、電機(東エレク、アドテスト)、精密機器(テルモ)、金融(三菱UFJ、東京海上)
堅調セクター:化学、保険、情報通信
軟調セクター:不動産(菱地所)、小売(ニトリHD、ニチレイ)
富士フイルム急伸、主力銘柄にも買い広がる
上昇銘柄:富士フイルム(ADR高・業績観測)、東エレク、アドテスト、テルモ、トヨタ、日立、三菱UFJ、東京海上
下落銘柄:ニトリHD、三菱地所、ニチレイ、中外薬、パルHD
10時時点の市場データ
東証株価指数(TOPIX)は続伸。
売買代金:約1兆3442億円
売買高:約5億7837万株
今後の注目点:決算とFRBの政策に警戒も
前日の米国株の急伸は、大幅下落の反動という側面もあり、上値追いには慎重姿勢も見られます。
日経平均の3万5000円台は心理的な節目として意識されており、利益確定売りが出やすい状況。
今週から本格化する企業の2026年3月期決算見通しや、今後の米経済指標、FRBの金融政策などが相場のカギとなります。
まとめ
米株高と円安進行、そして米中摩擦緩和への期待感が、東京市場の大幅反発につながりました。富士フイルムなど好材料が出た個別銘柄の上昇も目立ちました。一方、3万5000円台では利益確定の動きも見られ、今後の企業決算や政策動向を見極める局面に入りそうです。