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19日の東京株式市場は、米国債の格下げによる金融市場への不安感を背景に、日経平均株価が続落で始まりました。朝方は円高や米経済への懸念が重荷となりましたが、先高観を背景にした押し目買いも入り、下げ幅は次第に縮小しました。
東京株式市場の状況(2025年5月19日)
- 日経平均:前週末比136円09銭安の3万7617円63銭(前引け)
- 前場は一時250円超の下げも、後半は持ち直し
- 東証プライム売買代金:概算1兆7867億円
- 売買高:7億8591万株
- 値上がり:747銘柄、値下がり:824銘柄、横ばい:60銘柄
米国市場の影響
ムーディーズが米国債の格付けを「Aaa」から「Aa1」へ1段階引き下げたことが波紋を広げました。これによりドル安・円高が進行し、米国の経済指標もさえない内容が続いたことで、日本株への警戒感が強まりました。
米ミシガン大学が発表した5月の消費者態度指数は、前月比でさらに低下し、心理面でも売りを促す要因に。前週末の米主要3指数は上昇したものの、日本市場には買いの勢いは波及していません。
東京市場の動き
朝方は半導体関連を中心に売りが先行しましたが、その後は一部主力株への押し目買いも入り、前引けにかけては下げ幅を縮小する展開となりました。
為替市場の動向
東京外国為替市場では1ドル=145円近辺まで円高が進行。一部では、米韓の為替協議をきっかけに「日本も円安是正を求められるのでは」という観測が出ており、円高懸念が輸出関連株の重荷となりました。
個別銘柄の動き
下落:東エレク、アドテスト、ファナック、KDDI、MS&AD
上昇:第一三共、三菱商事、三井物産、菱地所、トヨタ
人気のテーマ株
テーマ | 背景 |
---|---|
AI半導体 | 米ナスダックで関連株が調整も依然注目高 |
自動運転 | トヨタなどが材料視も為替で逆風 |
海運 | 荷動き堅調とされ一部銘柄が堅調 |
バイオ医薬品 | 第一三共などに買いが入る |
金融再編 | メガバンク決算を受けた再注目 |
注目の銘柄
銘柄名 | 理由 |
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クレディセゾン | 業績上方修正報道で買い集まる |
サイバーエージェント | 広告回復期待、業績予想据え置きでも反発 |
タカトリ | AI半導体向け装置で急伸傾向続く |
ヒューマンHD | 教育関連として注目集まる |
シキノハイテック | 独自技術に再評価の動き |
今日の主要経済ニュース・予定
時間(日本) | 内容 | 地域 |
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08:50 | 日本 1-3月期 GDP速報(前期比年率 -0.7%) | 日本 |
21:30 | 米 4月 輸入物価指数 | 米国 |
23:00 | 米 5月 ミシガン大学消費者信頼感指数(速報) | 米国 |
まとめ
16日午前の東京市場は、米ハイテク株安と円高の進行を受けて日経平均は続落。半導体関連株を中心に売りが広がったほか、GDP速報値のマイナス成長も市場心理の重荷となりました。来週の通貨・貿易交渉を控え、為替動向が一段と注目される展開となりそうです。