
目次
20日午前の東京株式市場は、前日の米株高を受けて日経平均株価が反発して始まりました。格付け会社ムーディーズによる米国債の格下げに対する市場の反応は限定的にとどまり、朝方は主力株を中心に買いが先行しました。
一時は上げ幅が400円を超える場面も見られましたが、心理的節目の3万8000円に近づくにつれて戻り待ちの売りが優勢となり、上値の重い展開に。午前10時時点では、日経平均は前日比で190円ほど高い3万7600円台後半で推移しています。
東京株式市場の状況(2025年5月20日10時時点)
米国株の堅調な地合いを背景に、東京市場でも半導体関連や輸出株に買いが入ったことで、日経平均は3営業日ぶりに反発しました。ナスダック指数やS&P500の上昇を受けて、東京エレクトロンやアドバンテスト、トヨタなど主力銘柄が堅調に推移しています。
一方で、午後に25年3月期決算の発表を控える東京海上やMS&ADといった損保株には様子見ムードが強く、売りが優勢となっています。
加藤勝信財務相がG7財務相会合に向けてカナダへ出発し、日米間で為替協議が行われる可能性が意識されており、円高進行への警戒感が引き続き相場の重荷となっています。
米国市場の影響
前日の米国株式市場では、ムーディーズの米国債格下げがあったものの、市場の反応は限定的でした。米長期金利が一時的に上昇したあと落ち着きを取り戻し、主要3指数(ダウ、S&P500、ナスダック)はそろってプラス圏で引けました。
この動きを受け、東京市場にも安心感が広がり、朝方の買いにつながりました。
東京市場の動き
日経平均は一時400円超の上昇となりましたが、3万8000円台を前に戻り待ちの売りが出て伸び悩んでいます。海外短期筋の株価指数先物への買いが下支えとなっていますが、全体的には模様眺めのムードも残っています。
また、引け後に決算発表を控えた銘柄への警戒感から、一部の金融・保険セクターに売りが入っています。
為替市場の動向
東京外国為替市場では、1ドル=145円台前半で推移しており、為替の動きが輸出関連株の売買に影響を与えています。日米の財務相会談が近く予定されており、為替政策をめぐる協議への警戒感から円高への思惑も残る状況です。
個別銘柄の動き(10時時点)
上昇:アドバンテスト、TDK、トヨタ、ファナック、安川電機
下落:東京海上、MS&AD、大塚HD、良品計画、三井不動産
人気のテーマ
テーマ | 内容 |
---|---|
半導体 | アドテスト・東エレクなど反発基調 |
自動車 | トヨタ・ホンダなどに買い戻し |
FA関連 | ファナック・安川電機など堅調 |
為替関連 | 円高思惑で輸出株の選別色強まる |
保険・金融 | 東京海上・MS&ADなどは売り優勢 |
注目の銘柄
銘柄名 | コード | コメント |
---|---|---|
アドバンテスト | 6857 | 半導体指数上昇に連動、買い戻し強まる |
TDK | 6762 | 電子部品関連として堅調に推移 |
トヨタ | 7203 | 円高一服感から買い戻し |
東京海上 | 8766 | 決算発表控え、利益確定売りが先行 |
サイバーエージェント | 4751 | テクニカルな反発で高い |
今日の主要経済ニュース
時間 | 地域 | 指標・イベント |
---|---|---|
10:30 | 中国 | 4月 鉱工業生産、小売売上高 |
18:00 | ユーロ圏 | 1-3月期 GDP改定値 |
21:30 | 米国 | シカゴ連銀全米活動指数(4月) |
まとめ
20日午前の東京市場では、米株高を好感した買いが先行し、日経平均は反発して始まりました。米国債の格下げによるショックは限定的で、主力銘柄を中心に堅調な動きも見られましたが、上値では戻り売りも観測されており、3万8000円の節目が意識される展開です。
為替や決算発表などイベントが控えているため、引き続き慎重な投資姿勢が求められそうです。