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21日午前の東京株式市場では、日経平均株価が続伸で取引を開始しました。前日の米国株市場が主要3指数そろって下落する中でも、日本株には相対的な出遅れ感に着目した買いが入っています。
東京株式市場の状況(2025年5月21日)
21日の東京市場は前日比60円高の3万7590円で寄り付き、一時は100円を超す上昇幅を記録しました。しかし、買い一巡後はやや下げに転じ、前日終値付近でもみ合う場面もありました。輸出関連の一角ではホンダなどに買いが先行し、相場の下支えとなっています。
米国株との比較で出遅れ感が意識される中、銀行株や一部自動車株への資金流入がみられましたが、米株の反落や短期的な過熱感も意識され、上値は限定的です。
米国市場の影響
20日の米国市場では、ダウ平均、S&P500、ナスダックともに反落。前日までの戻り相場に対する持ち高調整の売りが優勢でした。ホームデポの好決算にもかかわらず、終盤には下落に転じるなど、地合いの弱さが意識されました。
特にナスダックでは、RSIが70を割り込み、短期的な「売りサイン」が点灯。半導体株やマグニフィセント7も軟調で、投資家のリスク回避姿勢がやや広がりました。
東京市場の動き
東京市場では、日経平均こそ続伸したものの、指数全体をけん引するような明確なテーマは見られず、前場中ごろには一時下落に転じる場面も。日銀の金融政策への思惑や、為替の動向、さらに個別銘柄の急騰・急落が投資家心理に影響を与えています。
小型株指数「グロース250」は8日続伸となっており、特に3バイオ(4894)やアイスペース(9348)といった値動きの荒い新興銘柄の上昇が続いています。
ただし、過去に3バイオは5営業日で株価が79%下落した「伝説の暴落」も経験しており、警戒も必要なタイミングと見られています。
為替市場の動向
為替市場では、1ドル=144円台半ばでの推移が続いています。円高懸念はやや後退しているものの、今週予定されているG7財務相・中銀総裁会議でのドル・円の扱いが注目されており、市場参加者は慎重姿勢を維持しています。
個別銘柄の動き
午前の売買では、ホンダ、トヨタなど自動車株の一角が買われたほか、銀行株の上昇も目立ちました。一方で、ファーストリテイリング、アドバンテスト、リクルート、東京海上などが下落しています。
グロース市場では、3バイオ(4894)が前日に一時ストップ高となり、相場をけん引。関連銘柄にも資金が波及する一方で、短期的な過熱感を警戒する声も出ています。
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注目の銘柄
- 3バイオ(4894)…一時ストップ高でグロース主導
- アイスペース(9348)…月面着陸関連で思惑続く
- レナサイエンス(4889)…バイオ思惑で連れ高
- FFJ(7098)…グロース関連の資金流入先
- ココペリ(4167)…地銀提携報道の反動調整局面
今日の主要経済ニュース
国・地域 | 指標・発表内容 | 発表時刻(日本時間) |
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日本 | 全国消費者物価指数(4月) | 午前8時30分(済) |
米国 | 週間原油在庫統計 | 午前0時30分(22日) |
ユーロ圏 | ラガルドECB総裁の発言予定 | 午後8時頃 |
まとめ
日経平均は続伸で始まったものの、上値は限定的で、前日終値付近でもみ合う展開となりました。グロース市場での短期急騰銘柄に警戒が強まりつつあり、大型株への資金回帰があるかが焦点です。