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東京株式市場の状況(2025年5月22日)
22日午前の東京市場は米株安と米長期金利上昇を嫌気した売りが優勢となり、日経平均株価は前日比367円安の3万6931円で取引を開始しました。
寄り付き直後には下げ幅が400円を超え、取引時間中としては5月8日以来となる3万7000円割れを記録。その後は押し目買いが入り、10時現在では3万7100円前後(前日比▲200円)まで下げ幅を縮小しています。
TOPIXも続落スタートながら、医薬品株の堅調さが支えとなり下げ渋る展開です。
米国市場の影響
21日の米国市場では、20年債入札の不調をきっかけに米30年債利回りが再び5%台へ上昇。金利急騰を受けて午後2時前後(日本時間22日午前4時ごろ)に主要3指数がそろって下落しました。
ダウ平均は▲1.9%、S&P500は▲1.4%、ナスダック総合は▲1.7%で終了。ハイテク株中心のナスダックでは、RSIが70を割り込み短期的な「売りサイン」が点灯しています。
東京市場の動き
米金利上昇を映して日本の20年国債入札も警戒され、国内長期金利(新発20年債利回り)は1.55%台へ上昇。金利高と円高観測が重なり、輸出関連や半導体関連に売りが先行しました。
一方、中外製薬・第一三共などディフェンシブ色の強い医薬品株が買われ、節目の3万7000円割れでは個人投資家を中心に逆張りの買いも入っています。
為替市場の動向
米財務長官と加藤財務相の会談で 為替水準には踏み込まなかった と伝わり、早朝の円相場は一時1ドル=144円台まで円安が進行。しかし市場では「今後の協議次第では円高シナリオも残る」との見方が根強く、現在は143円台後半で推移。為替の方向感が定まらず、自動車株や電子部品株の戻りを抑えています。
個別銘柄の動き
下落:東エレク、アドテスト、ファストリ、京成(株主還元失望)、トヨタ
上昇:中外薬、第一三共、良品計画、味の素、ニトリHD
人気のテーマ
テーマ | 概要 |
---|---|
米長期金利の急上昇 | 20年債入札不調で利回り5%台に |
円高・ドル安警戒 | G7財務相会議を控えた思惑交錯 |
半導体株調整 | SOX指数下落を受け売り先行 |
ディフェンシブ物色 | 医薬品・食品株に資金シフト |
小型グロースの反動 | グロース250指数、9日ぶり反落 |
注目の銘柄
銘柄コード | 銘柄名 | ポイント |
---|---|---|
4519 | 中外製薬 | 押し目買いで年初来高値接近 |
4568 | 第一三共 | 連日の高値更新、ディフェンシブ買い |
9009 | 京成 | 還元策失望で急落、リバウンド余地注視 |
8035 | 東エレク | SOX安を受け下落、3万8000円が上値 |
4063 | 信越化学 | 金利上昇下でも底堅さ維持 |
今日の主要経済ニュース
国・地域 | 指標・イベント | 日本時間 |
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日本 | 4月全国消費者物価(確報) | 08:30 |
ユーロ圏 | 5月消費者信頼感(速報) | 18:00 |
米国 | 新規失業保険申請件数 | 21:30 |
米国 | 4月新築住宅販売件数 | 23:00 |
まとめ
米20年債入札不調を契機とした金利ショックが東京市場にも波及し、日経平均は取引時間中に3万7000円を割り込みました。もっとも、心理的節目では押し目買いも入り下げ渋り。
米金利動向と為替の行方が当面の焦点であり、ディフェンシブ銘柄への資金シフトが続くかに注目が集まります。