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8日朝、日経平均株価は続落スタートとなりましたが、米政権による関税通告への驚きが薄く、一部値がさ株の買いが支えとなり、小幅高へ転じました。
東京株式市場の状況(2025年7月8日)
- 始値:前日比‑45円61銭の39,542円07銭
- 前場中ごろ:最大200円超の上昇で39,700円台を回復
- 主要買い: リクルート、TDK、アドテストなど高ボラティリティ株
- 東証プライム出来高:約5.4億株、売買代金:1兆3,067億円
値がさ株の勢いが市場のムードを作る中、全体としては慎重なスタートだったと思います。
米国市場の影響
- トランプ大統領が日本・韓国に対して8月1日より25%関税と指定、前日は米ダウが422ドル安(‑0.94%)で反落。
- ただし「想定内」と見なされ、東京市場では過度な動揺は回避されました。モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅日本チーフ・エコノミストは、「関税強化だが、経済対策強化の可能性もある」と述べています 。
政策リスクと安心材料が混在する今の相場に、投資家のバランス感覚が浮き彫りになっていますね。
東京市場の動き
- 日経平均は朝方の下落後、リクルート、TDK、アドテストなど値がさ株の活発な取引で反発
- ファーストリテイリング、東エレク、フジクラ、住友電、トヨタ、ホンダ、スズキ、デンソーも堅調推移
- 一方、ソフトバンクG、中外薬、大塚HD、任天堂、丸井Gには売り圧力
値がさ株主導ながら、調整局面の銘柄もあり、相場の流れはやや割れ気味です。
為替市場の動向
- 1ドル=145.89~146.10円の円安ドル高レンジで推移
- ドル買いが続き、円安傾向が輸出株を支援
146円台前半なら、輸出株の追い風材料として十分。落ち着いた動きに安心感があります。
人気のテーマ(5つ)
- 値がさ株(リクルート・TDK・アドテストなど):寄与度が高く相場の中心に
- 輸出関連株(トヨタ・ホンダなど):円安との相乗効果で物色される
- 米関税リスク織り込み相場:想定内という市場評価が注目テーマ
- 経済対策期待:関税強化のリスクを政策で補填するという見方
- 大型株の値動き差:上昇銘柄と調整銘柄で物色の二極化傾向
テーマ別に色が出て、投資家が重点的に物色しているのがよく分かる相場です。
注目の銘柄
- アドテスト:値がさ株として反発基調。短期筋の注目も高い
- リクルート:業績安定と相場寄与度で安心材料
- TDK:輸出関連として円安メリット大
- 東エレク:半導体関連でも値動き注目株
- 中外薬:調整局面入りも、材料が出れば反騰余地あり
大型株が動きづらい今だからこそ、注目されにくい中小株に視線を向けるのも面白い局面です。
今日の主要経済ニュース(7月8日発表予定)
国・地域 | 指標・イベント | 発表時間(日本時間) |
---|---|---|
豪州 | RBAキャッシュレート発表(25bp利下げ見込み) | 22:30(7月8日) |
米国 | 消費者信用残高、NFIB小企業景況感指数 | 時間未定 |
米国 | 中古車価格、消費者物価期待 | 時間未定 |
日本 | 特になし(国内市場は小規模材料中心) | — |
注目は豪州RBAと米中小企業関連指標。今日の東京市場にはやや影響小ですが、今後の策を見るキーワードですね。
まとめ
8日は米関税通告を織り込んだうえで、値がさ株中心に日経平均が反発しました。為替の落ち着きや政策期待が支えとなっている反面、大型株の調整や外部リスクへの警戒も残る展開です。今後は為替・政策・海外指標の三本柱に注視が必要です。
相場はすでに動いた。これからは材料次第で次の波が来るかどうか見極めどころ。引き続き慎重に見守りたいですね。