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米国の関税政策を巡る不透明感が市場心理を冷やす一方、円安進行で一部輸出関連株に買いも。トランプ氏の相次ぐ関税強化発言と参院選情勢が、相場の行方を左右しています。
東京株式市場の状況(2025年7月14日)
14日午前の東京株式市場は、日経平均株価が続落でスタートしました。米国の高関税政策への警戒感が投資家心理を圧迫し、開始直後から売りが先行。日経平均は一時300円近い下げとなる場面もありましたが、医薬品や商社株が下支えとなり、前引けは99円安の3万9469円で取引を終えました。
米国市場の影響
前週末の米株式市場は、トランプ前大統領による対カナダ・EU・メキシコなどへの関税強化の表明を受けて、主要指数がそろって反落しました。ダウ平均は279ドル安(-0.62%)の4万4371ドル、S&P500とナスダックも下落。世界景気の先行きに対する不安が広がっています。
東京市場の動き
日経平均は3日続落。特に朝方は先物売りが強まり、指数は一時3万9200円台まで下落しました。ただし、為替の円安進行に伴い、トヨタやホンダなどの自動車株には買いが入りました。防衛関連株の一角も底堅く、全体の下値を支えました。
投資家心理が冷え込みやすい局面こそ、足元の材料を冷静に見る視点が大切ですね。
為替市場の動向
為替はドル高・円安が進行し、1ドル=147円台前半まで円が下落。これは米国の長期金利が上昇したことによる金利差拡大を背景とした動きです。為替の変動が輸出企業の業績予想に直結するため、為替動向は引き続き注視されます。
個別銘柄の動き
東エレク、ファナック、ソニーGといった景気敏感株が大きく下落。一方で、第一三共や中外薬などのディフェンシブ株、またファストリやアドテストなどの主力株の一部には押し目買いが入りました。
人気のテーマ
テーマ | 概要 |
---|---|
関税・貿易摩擦 | トランプ氏の関税政策強化で注目 |
医薬品 | ディフェンシブ買いの流れ |
円安メリット | 自動車や商社株に買い |
半導体 | アドテストが反発も、全体的に弱含み |
防衛関連 | 地政学的リスクから選好 |
注目の銘柄
銘柄コード | 銘柄名 | コメント |
---|---|---|
6920 | レーザーテック | 為替影響軽微、成長性に注目 |
4568 | 第一三共 | 医薬品セクターで資金が向かう |
4385 | メルカリ | 調整後に下げ止まりの兆し |
3776 | ブロードバンドタワー | サーバー投資の動きで思惑 |
7033 | マネジメントソリューションズ | 選挙・政治情勢のテーマ株として再注目 |
今日の主要経済ニュース
発表時間(日本時間) | 指標名(国) | 内容 |
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21:30 | 小売売上高(米) | 消費者の動向と景気判断に直結 |
23:00 | 製造業景況指数(米) | 景気の先行指標として注目 |
15:00 | 消費者物価指数(英) | インフレ動向と金融政策判断に影響 |
こちらでも経済指標カレンダーを確認することができます↓
まとめ
米国の関税政策に対する懸念が再燃するなか、東京市場でも利益確定売りが先行しました。今後は為替相場や参院選情勢、米国経済指標に対する反応が、相場の方向性を左右しそうです。日経平均は節目の4万円に接近する中、買いと売りが交錯する展開が続くでしょう。