
目次

9日前場寄り付きの東京株式市場では、日経平均株価が反発して始まり、前日比約460円高の4万8,200円近辺で推移しています。
前日の米国ハイテク株高を受け、東京市場でも半導体関連銘柄を中心に買いが先行しています。
東京株式市場の状況(2025年10月9日・前場)

8日の米株式市場では、ナスダック総合指数が最高値を更新し、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3%を超えて上昇しました。
イーロン・マスク氏のAI企業「xAI(エックスエーアイ)」が200億ドル規模の資金を調達し、米半導体大手エヌビディア製AI半導体の購入に充てると伝わったことが好感され、エヌビディアが2%超上昇しました。
この流れを受け、東京市場でも東京エレクトロンなど値がさ半導体株に買いが集まりました。
東証株価指数(TOPIX)も続伸し、最高値を上回って推移しています。
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)が上場来高値を更新しました。フジクラやソニーGも上昇。一方で、アドテストは朝高後に反落し、トヨタやアサヒは下落しています。
米国市場の影響
前日の米国市場では、ハイテク株を中心に上昇基調が続きました。ナスダックが最高値を更新し、SOX指数が3%超上昇するなど、AI・半導体関連への期待が改めて強まりました。
特にエヌビディアの上昇が目立ち、AI関連の資金流入を促しています。東京市場でもこの流れを引き継ぎ、半導体関連が相場全体を押し上げています。
東京市場の動き(10時時点)
前場中ごろには、日経平均の上げ幅がさらに拡大し、前日比約680円高の4万8,400円台前半で推移しました。
上げ幅は一時700円を超えました。ソフトバンクグループ(SBG)が上場来高値を更新し、1銘柄で日経平均を500円ほど押し上げているとの見方もあります。
また、高市早苗総裁が掲げる「核融合炉」開発をめぐり、高温超電導線材を手掛けるフジクラが大幅高となり、連日で最高値を更新しました。政策関連テーマ株への物色が続いています。
為替市場の動向
為替市場では円安・ドル高基調が続き、1ドル=152円前後で推移しています。
円安は輸出関連株に追い風となり、自動車株など外需銘柄の買い材料になっています。一方で、急速な円安に対する警戒感もくすぶっており、為替の振れ幅には注意が必要です。
個別銘柄の動き
上昇銘柄はソフトバンクG、フジクラ、ソニーG、ファナック、中外薬など。
一方で、アドテスト、東京エレクトロン、ホンダ、東京海上が下落しています。
人気のテーマ
| テーマ | 背景・狙いどころ |
|---|---|
| 半導体・電子部品 | AI関連の上昇基調が継続。需給改善への期待 |
| 通信・インフラ | ソフトバンクGを中心とした物色が加速 |
| 素材・先端素材 | 核融合・超電導など政策関連への関心が高い |
| 輸出関連 | 円安の恩恵による業績押し上げが注目 |
| 製薬・医療 | ディフェンシブ資金の逃避先として安定 |
注目の銘柄
| 銘柄 | 注目ポイント |
|---|---|
| ソフトバンクグループ | 上場来高値を更新し、AI・通信テーマの中心に |
| フジクラ | 高温超電導線材を手掛け、政策関連の恩恵が期待 |
| ソニーG | 円安とエンタメ事業拡大の両面で注目 |
| ファナック | ロボティクス・工作機械需要の回復が支え |
| アドテスト | 半導体関連の短期調整後の反発に注目 |
中小型株が好ましい
主力テーマ株に資金が集中しやすい相場環境のなか、波及効果を狙う中小型株にも注目したいところです。AI、素材、政策関連の分野では好材料を持つ中堅企業の動きにも注目です。
今日の主要経済ニュース(発表予定)
| 国・地域 | 内容 | 発表予定 |
|---|---|---|
| 日本 | 9月景気ウォッチャー調査 | 10月9日(水)午後 |
| 米国 | 新規失業保険申請件数 | 10月10日(木)未明 |
| 中国 | 9月貿易統計 | 10月10日(木)予定 |
まとめ
10月9日の東京株式市場は、米ハイテク株高を背景に日経平均が大幅反発しました。半導体関連や政策テーマ株が買われる一方で、利益確定売りも散見されます。
為替・政策・AI関連といった複数のテーマが重なり合うなか、今後の展開では持続的な成長銘柄を見極める力が問われます。

強いテーマ株が目立つ一日でした。短期の値動きに惑わされず、成長の「芯」を持つ銘柄を見極めていきたいところです。





