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16日前場寄り付きの東京株式市場で、日経平均株価は続伸して始まりました。前日比約350円高の4万8,000円前後で推移し、上げ幅は一時500円を超えました。
自民・維新両党による連立協議開始の動きが報じられ、政局の不透明感が後退したとの見方から主力株に買いが先行しています。
東京市場の状況(2025年10月16日・前場)

15日に自民党高市早苗総裁と維新の吉村洋文代表が会談。首相指名選挙での協力や連立構想に向け、16日より政策協議を始めることで一致したとの報道が出ています。
吉村氏は記者団に対し「合意すれば(高市氏を)そういう方向になる」と述べ、市場では「政局の見通しが改善した」との声が聞かれています。
内藤証券の田部井美彦投資調査部長は「高市氏首相への可能性が織り込みに入り、投資家心理が改善した」とのコメントを出しています。
一方で、半導体関連株ではレーザーテクやアドテストなどに上値の重さも見られます。
前日の取引でオランダのASMLが好決算を発表し、それを好感して半導体関連に買いが入っていた流れもありましたが、この日は勢いを維持できていません。
東証株価指数(TOPIX)も続伸しています。
個別銘柄の動き
自動車株や電力株が買われ、トヨタ、日産自動車、東電HDなどが上昇しました。反面、第一三共、三井物産などは軟調です。
また、半導体部材の製造・販売を手掛けるテクセンドフォトマスク(429A)が16日、東証プライム市場に新規上場しました。
公開価格3000円に対し初値は3570円(公募比+19%)と強いスタートを切っています。
東京市場の動き(10時時点)
前場中ごろには、日経平均は約330円高の4万8,000円前後で堅調推移。ただし、上げ幅は一時260円ほどに縮小する局面もありました。
米国市場では、ダウ平均が小幅安だったほか、FRBミラン理事が「米中の緊張が再燃したのは深刻」と発言したとの報も出ており、リスク回避の動きも意識されています。
10時現在、東証プライム市場の売買代金は概算 1兆7,415億円、売買高は 7億5,454万株 となっています。
銘柄貢献・寄与株の動き
日経平均への影響力が大きい銘柄では、東京エレクトロンやソフトバンクG(SBG)が上昇。2銘柄で約300円分を押し上げたとの見方もあります。
逆に、メルカリやニデックなどが売られています。
市場心理
この日は、政局不透明感の後退が買い材料として意識された日でした。ただし、半導体関連の一角が伸び悩んだように、テーマ依存の株には慎重な見方も残ります。
新規上場のテクセンドフォトマスクも初値が上昇したことで関心を集めています。IPO銘柄は初値で跳ねやすい特徴があり、全体相場への影響力が注目されます。
まとめ
10月16日前場の東京市場は、政局改善期待を支えに反発基調となりました。
主力株やIPO銘柄に買いが集まり、上昇を牽引しましたが、一方で米リスクや半導体関連の伸び悩みも警戒材料です。政策協議の進捗と米中動向の行方が、今後の相場方向を左右しそうです。
政局改善を材料にした反発は素直ですが、相場の持続性には政策ロードマップの明確性が欠かせません。選別力を持って銘柄を追いかけたいところです。





