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22日前場の東京株式市場で日経平均株価は反落しました。
前日比700円ほど安い4万8600円台前半まで下落し、前日に迫った節目の「5万円」を目前にして利益確定売りが広がりました。
国内では高市早苗内閣が21日夜に発足し、政治の不透明感が後退したものの、短期的な上昇に対する高値警戒感から、海外勢を中心に持ち高整理の売りが先行しています。
米国市場の流れ

21日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が最高値を更新し、前日比208ドル(0.44%)高の4万6914ドルで取引を終えました。
主要企業の決算が好調で、製造業やエネルギー株が買われました。ただ、ナスダック総合指数は小幅安となり、半導体株に利益確定の動きが見られました。
米長期金利は4.34%で横ばい。金利上昇が一服したことで、株式市場は底堅さを維持しました。
世界経済・金融ニュース
米中関係では、トランプ米大統領が「貿易協議は順調に進んでいる」と発言し、対立激化への懸念が後退。中国商務省も、輸入関税の一部緩和を検討していると発表しました。
一方、欧州ではECB(欧州中央銀行)がインフレ鈍化を確認し、追加利上げを見送る方針を示しました。金融引き締めの長期化懸念が和らいだことが、世界的な株価上昇の土台となっています。
東京市場の動き

東京市場では、前日まで続いていた「高市トレード」に一服感が出ています。
政権発足により政治の不透明感は解消されたものの、今後の政策実行力や補正予算の中身を見極めたいとの投資家心理が強まっています。
海外勢による先物主導の買いが落ち着き、持ち高整理の売りが優勢となりました。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「5万円という節目を前に、短期筋の利益確定と先物需給の調整が進んでいる。高市政権の政策期待は引き続き相場の下支え要因になる」と話しています。
為替・金利の動向
22日午前の東京外国為替市場では、円相場が1ドル=150円台後半で推移。前日に比べやや円高・ドル安となり、輸出株の重しとなりました。
米長期金利の上昇一服でドル買いの勢いが弱まった一方、日銀の緩和維持姿勢が引き続き意識されています。
国内10年国債利回りは0.86%前後で安定。為替の振れ幅は限定的でした。
個別銘柄の動き
ソフトバンクグループ(SBG)が大幅安となり、日経平均を押し下げました。前日まで上昇していたアドバンテストや東京エレクトロン、フジクラも利益確定売りに押されています。
一方、自動車株が相場の下支え役となり、トヨタ、ホンダ、スズキが上昇しました。ファストリも買い戻され、小売り関連に資金が向かいました。
TOPIX・売買動向
東証株価指数(TOPIX)は小幅ながら続伸。業種間では、銀行・保険が軟調な一方、輸送用機器や陸運が堅調でした。
東証プライムの売買代金は概算で1兆7522億円、売買高は7億2189万株。海外勢の持ち高調整をこなしながら、内需関連株が相場を下支えしました。
今日の主要経済ニュース
【国内】
- 8月企業向けサービス価格指数(日銀)
- 10月月例経済報告(内閣府)
【海外】
- 米中古住宅販売(9月)
- ドイツIFO企業景況感指数(10月)
まとめ
高市政権の船出を好感した買いが前日まで続きましたが、節目の5万円を目前に上昇一服。
海外勢の持ち高整理や短期的な過熱感から利益確定の動きが出ました。もっとも、政権発足による政策期待は根強く、押し目買いの動きも見られます。

市場は一呼吸置いた印象です。相場の熱が冷めたときこそ、本質的な「政策」と「企業業績」を見極めるタイミングです。





