
目次

24日前場の東京株式市場で日経平均株価は反発しました。前日比400円ほど高い4万9000円近辺で始まり、上げ幅は一時500円を超えました。
前日の米株式市場の上昇を引き継いだほか、米インテルの好決算が投資家心理を支え、半導体関連株を中心に買いが優勢となりました。東証株価指数(TOPIX)は一時、22日に付けた最高値(3266.43)を上回り、史上最高値を更新しています。
【注目記事】
米国市場の流れ
23日の米株式市場では、主要3指数がそろって反発しました。ダウ工業株30種平均は前日比284ドル(0.61%)高の4万6912ドルで終了。
S&P500やナスダックも上昇しました。好調な企業決算を背景に買い戻しが優勢となり、特にハイテク株が市場を牽引しました。
米インテルは取引終了後に発表した7〜9月期決算で、最終損益が40億6300万ドル(約6200億円)の黒字(前年同期は166億3900万ドルの赤字)と、7四半期ぶりの黒字に転換。時間外取引で株価が急伸しました。

この流れが東京市場でも半導体株の買い材料となっています。
世界経済・金融ニュース
米中関係を巡っては、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が30日に韓国で会談する見通しと伝わり、対立緩和への期待が高まりました。貿易摩擦や輸出規制の懸念が一時的に和らぎ、世界的に投資家のリスク回避姿勢が後退しています。
欧州ではECB(欧州中央銀行)が23日、インフレ鈍化を受けて政策金利の据え置きを決定。金利上昇懸念が後退し、株式市場を下支えしました。原油先物(WTI)は1バレル=84ドル台で小幅高。世界的な需給懸念がやや後退しています。
東京市場の動き
東京市場では、米株高と米中対立緩和への期待を背景に幅広い銘柄に買いが先行しました。特に前日売られていた半導体関連株が買い戻され、日経平均を押し上げています。
指数寄与度の高いソフトバンクグループ(SBG)やファストリも堅調で、TOPIXは一時史上最高値を更新しました。
大和証券の坪井裕豪・日米株チーフストラテジストは「米市場での買い戻しスピードが速く、短期的なショートカバー(売り方の買い戻し)が日本株にも波及した」と指摘しています。

海外投資家の買い戻しに加え、個人投資家による追随買いも相場を押し上げました。
投資家心理と今後の焦点
前日までの調整で一時リスク回避に傾いていた市場心理が改善。国内では高市政権の経済政策期待が続いており、「財政拡張×金融緩和」路線が中長期的な支えとみられています。市場では「5万円の大台を前に調整を経て、次の上昇ステージに入るかが焦点」(国内証券)との見方が出ています。
為替・金利の動向
24日午前の東京外国為替市場では、円相場が1ドル=149円台半ばで推移。為替の落ち着きが輸出関連株への安心感を誘っています。
米長期金利は4.22%と小幅に上昇し、ドルは持ち直し基調です。国内10年債利回りは0.86%でほぼ横ばい。
個別銘柄の動き
アドテストや東エレク、ソフトバンクグループ(SBG)、ファストリが上昇。米インテル決算を受けた半導体セクターへの買い戻しが目立ちました。
一方、中外製薬やニデック、テルモなど内需・医薬関連は利益確定売りに押されました。
TOPIX・売買動向
東証株価指数(TOPIX)は反発し、午前中に一時最高値を更新。
業種別では「電気機器」「情報通信」「不動産」が上昇上位。一方、「医薬品」「精密機器」は小幅安。東証プライムの売買代金は概算で1兆7030億円、売買高は7億1920万株でした。
今日の主要経済ニュース
【国内】
- 9月消費者物価指数(CPI)
- 10月製造業PMI速報値
【海外】
- 米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
- 独IFO景況感指数
まとめ
米株高とインテルの好決算が追い風となり、東京市場は反発。TOPIXは一時最高値を更新しました。米中対立懸念が和らぎ、投資家心理が改善しています。

短期的な調整を経て、相場は再び上昇のリズムを取り戻しつつあります。高値警戒感は残るものの、決算シーズンの内容次第では5万円突破も視野に入りそうです。






