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前日の米株安やFOMC後の慎重な発言を受け、東京市場では一時的な調整ムードが広がりました。
もっとも、半導体株の堅調さが全体を下支えし、日経平均は前日終値を挟んで一進一退の展開。重要イベントを控え、投資家の様子見姿勢が強まっています。
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国内市場

30日前場の東京株式市場で日経平均株価は反落で始まったあと、前日終値(5万1307円)を挟んで一進一退の展開となりました。
前日の米株安を受けて利益確定売りが先行したものの、半導体関連株の一角に買いが入り、指数は上げに転じる場面も見られました。前日に最高値を更新していたこともあり、高値警戒感が意識されています。
米国市場

米連邦準備理事会(FRB)は29日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2会合連続の0.25%利下げを決定しました。
ただし、パウエル議長は記者会見で「12月の追加利下げは既定路線というにはほど遠い」と慎重姿勢を示しました。
これを受け、ダウ工業株30種平均は前日比167ドル安の4万6851ドルで反落。東京市場でも値がさ株中心に調整売りが出ています。
市場では「短期的な過熱感が意識されるなか、きょう午前は日銀の政策会合や米中首脳会談を控え、持ち高を落とす動きが出やすい」(野村証券の沢田麻希ストラテジスト)との声が聞かれました。
世界経済ニュース
29日の米株式市場では、ナスダック総合株価指数と主要半導体関連で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が最高値を更新しました。
一方で、FRBの利下げペース鈍化懸念からダウ平均は反落しました。米中首脳会談を30日に控え、通商協議や経済安全保障での歩み寄りへの期待も残ります。

市場では「利下げが鈍化しても、米中関係の改善や企業業績の底堅さが株価を支えている」との見方が優勢です。
国内要因・投資家の見方
東京市場では、史上最高値圏にある日経平均を前に利益確定と押し目買いが交錯しました。
アドテストなど半導体関連株が上昇し、相場を下支えしています。日銀はきょうの金融政策決定会合で大規模緩和の維持を決める見通しです。
「年明け以降の物価動向次第では、緩和縮小の議論が再燃する可能性がある」(国内証券ストラテジスト)との声もあります。
午後には高市首相とトランプ米大統領による米中首脳会談が予定され、貿易や安全保障に関する発言次第では相場が反応する可能性もあります。
為替・金利の動向
東京外国為替市場では、円相場が1ドル=152円台前半で推移しています。
米長期金利は4.30%前後とやや上昇し、ドル買いが継続。輸出関連株には追い風となる一方、内需株にはやや重荷となりました。
国内10年物国債利回りは0.87%台で横ばい。日銀の金融緩和維持観測が支えとなり、金利面からは株式市場への支援環境が続いています。
注目銘柄・セクター動向
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)、ファストリ、ディスコが下落。一方、アドテストやフジクラが上昇しました。東エレク、信越化も底堅く推移しています。
セクター別では「電気機器」「精密機器」が上昇率上位。「陸運」「医薬品」「食品」は軟調でした。
まとめ
きょうは日銀会合と米中首脳会談を前に、投資家がポジションを調整する一日となりました。
半導体株の強さが日本株全体の底堅さを象徴しており、5万円超えの達成感と慎重姿勢がせめぎ合う展開。午後以降の材料次第では、再び活発な値動きが期待されます。






