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三連休明けの東京株式市場は、利益確定売りが先行し反落でスタートしました。
日経平均は一時300円超下落したものの、好決算銘柄を中心に買い戻しが入り上昇に転じる場面もありました。
史上最高値圏で推移するなか、相場の過熱感が意識され、一進一退の展開となりました。
【注目記事】
国内株概況(寄り付き)

4日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は反落で始まり、前週末比320円ほど安い5万2100円前後で推移しました。
前週末まで3日続伸し、この期間に2200円近く上昇していた反動で、高値警戒感が強まりました。
3日の米株式市場でダウ工業株30種平均が前週末比226ドル(0.47%)安の4万7336ドルと下落し、東京市場でも利益確定売りが出ました。
米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した10月の製造業景況感指数は48.7と市場予想(49.3)を下回り、米景気の減速懸念が強まりました。
ただし、ハイテク株には買い戻しも入り、ナスダック総合株価指数は0.46%高、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.58%高。
この流れを受け、東京市場でも東エレクやレーザーテクなどの半導体株に買いが入り、相場を下支えしました。
午前中盤の動き(10時)
午前10時時点では日経平均が上昇に転じ、前週末比50円ほど高い5万2400円台後半まで上昇しました。31日に付けた最高値(5万2411円)を一時上回る場面も。
決算発表シーズンが本格化し、好調な業績を発表した銘柄が相場をけん引しています。
ファナックは26年3月期の純利益予想を一転して増益へ上方修正し、市場予想を上回りました。東エレクも純利益予想を引き上げ、AI向け半導体需要を背景に大幅高。

市場では「好決算銘柄に資金が集中する一方で、全体相場は高値警戒感から方向感を欠く」との声が聞かれました。
国内要因・投資家の見方
10月の日経平均の月間上昇幅は7478円(+16.6%)と過去最大で、7カ月連続上昇。「高市政権の経済政策への期待」や「円安を背景とした企業業績の上方修正」が相場を押し上げてきました。
一方で、海外投資家の先物買いが一巡し、短期的な過熱感を指摘する声も増えています。
SMBC信託銀行の山口真弘氏は「為替が円安に振れることで輸出企業の業績は底堅いが、日経平均の5万2000円台はやや先行しすぎた感がある。今後は決算内容を精査しつつ、業績裏付け型の相場に移行する局面」と述べています。
前引け概況(午前終値)
前引け時点で日経平均は前週末比50円20銭安の5万2361円14銭と反落。一時300円超下落する場面もありましたが、好決算銘柄の買いが下支えしました。
東エレク1銘柄で日経平均を136円押し上げるなど、個別要因が指数を支えています。
東証株価指数(TOPIX)は前引けで12.65ポイント(0.38%)高の3344.48と続伸。JPXプライム150指数も上昇しました。前引け時点の東証プライム売買代金は概算で4兆2546億円、売買高は14億株超。
値上がり銘柄は1085、値下がりは489でした。
後場寄り付き(12時半以降)
後場寄り付きでは再び下げ幅を拡大し、日経平均は前週末比200円安の5万2200円台前半で推移しました。
米株価指数先物が日本時間午後に下落したことも重荷となりました。
主力株ではアドテストやソフトバンクグループ(SBG)が安く、商船三井が後場に急落。一方、東エレクやファナック、レーザーテクは上昇し、半導体関連が引き続き相場を支えました。
世界経済・米国市場の動向

3日の米株式市場では主要3指数がまちまちの動き。
ダウ平均はISM製造業指数の弱さを受け反落した一方、ナスダックとSOX指数は上昇しました。アップルやアマゾンなどのハイテク大手には買いが入り、AI関連や半導体株が堅調。
一方で、景気敏感株や金融株は利益確定売りが出やすくなりました。
米10年債利回りは4.35%前後で横ばい。
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利下げ観測が残るものの、パウエル議長の慎重な姿勢を受けてドルは底堅く推移しました。

為替市場ではドル高・円安基調が続き、東京時間でも円は1ドル=153円台後半で取引されています。
為替・金利動向
東京外国為替市場では円相場が1ドル=153円台後半で推移。米金利は4.35%前後と横ばいで、ドル高・円安基調が続いています。
国内10年物国債利回りは0.87%前後で推移し、日銀の金融緩和維持姿勢が金利上昇を抑えています。
注目銘柄・セクター動向
- 上昇銘柄:ファナック、東エレク、レーザーテク、住友電、住友ファーマ、SMC、トヨタ
- 下落銘柄:アドテスト、ファストリ、リクルート、SBG、スクリン、OLC、パナHD
セクター別では「電気機器」「精密機器」「輸送用機器」が堅調、「サービス業」「小売」「不動産」は軟調でした。
まとめ
三連休明けの東京市場は、相場の過熱感と決算期待が交錯する展開となりました。半導体を中心とした好決算銘柄が相場を支えた一方、短期的な調整圧力も顕著です。

円安と政策期待が続く限り、日本株の中長期的な上昇トレンドは崩れていませんが、今週は個別企業の決算内容が相場を左右する局面に入りそうです。






