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7日の東京株式市場で日経平均株価は反落スタートとなった。米国の雇用悪化懸念を背景に前日の米株式相場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場でもリスク回避の売りが先行した。
半導体関連株やハイテク株を中心に幅広い銘柄が値下がりし、日経平均は一時700円を超える下落となった。一方、自動車や通信などのディフェンシブ株には買いが入り、下値を支える動きもみられた。
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国内株概況(寄り付き)

7日前場寄り付きの東京株式市場で、日経平均株価は前日比680円ほど安い5万0200円台前半で推移。下げ幅は一時700円を超え、心理的な節目の5万0500円を下回りました。
前日の米株安を受け、東京市場でも半導体・AI関連銘柄が総じて売らています。
ソフトバンクグループ(SBG)、アドバンテスト、ファナック、東京エレクトロン(東エレク)など値がさ株が下落し、指数を大きく押し下げた。

東証株価指数(TOPIX)も反落し、前日比0.9%安となっている。
世界経済・米国市場の動向

6日の米株式市場では、雇用関連指標の悪化が重荷となり主要3指数がそろって下落した。
ダウ工業株30種平均は前日比398ドル(0.84%)安の4万6912ドル、S&P500は1.1%安、ナスダック総合指数は1.6%安で取引を終えた。
米調査会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが発表した10月の人員削減数は前年同月比8.6%増。民間雇用の鈍化懸念が広がり、投資家のリスク回避姿勢が強まった。
とくに半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.39%下落。AI関連として人気を集めていたエヌビディアやマイクロン・テクノロジー、AMDなどが軒並み売られた。

この流れを引き継ぎ、東京市場でもハイテク株への売りが広がっています。
国内要因
市場では、「人工知能(AI)への需要拡大見通しは変わっていないものの、短期間での株価上昇に対する過熱感が意識されやすい」との声が聞かれました。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、「AI関連が調整に入ると、相場全体に波及しやすく慎重な姿勢が強まる」と指摘しています。
前日の東京市場では米雇用データを好感した上昇局面があったものの、短期筋による利益確定売りが続きやすく、方向感はやや失われつつあります。

今後は今夜発表予定の米10月雇用統計の内容次第で、再び相場の方向が大きく変わる可能性があります。
為替・金利動向
東京外国為替市場では円相場が1ドル=153円10〜20銭台で推移。米雇用悪化を受けて米10年債利回りは4.34%に低下し、ドルの上値はやや抑えられています。
ただし、依然として円安水準は続いており、輸出関連株には一定の支えとなっています。

国内10年国債利回りは0.87%で横ばいで推移しています。
セクター・銘柄動向
- 下落銘柄:ソフトバンクグループ(SBG)、アドバンテスト、ファナック、TDK、イビデン、フジクラ。
- 上昇銘柄:ファーストリテイリング、KDDI、スズキ、ホンダ。
セクター別では「電気機器」「精密機器」が大幅安、「輸送用機器」「通信」が堅調。
マーケット分析
日経平均は今週に入り、5万1000円台から5万円を挟む乱高下が続いています。
10月の月間上昇幅は7478円(+16.6%)と歴史的な急伸であり、足元では「一度リセットを経て再び上昇トレンドに入る可能性もある」との見方が出ている。
ただ、AI・半導体関連株の動向が相場全体のボラティリティ(変動性)を左右しており、投資家は引き続き米雇用指標やFRBの利下げ方針を注視している。
まとめ
前日のリバウンドから一転、きょうの東京市場は米雇用不安を受けて再びリスクオフムード。とはいえ、景気後退懸念が強まり過ぎれば、今後のFRBによる追加利下げ観測が再浮上する可能性もあります。
短期的な売りが落ち着けば、再びAI・自動車・通信といったテーマ株が買い直される展開も視野に入る。週明けの市場は、米雇用統計とドル円相場の反応を見極める局面となりそうです。






