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12日の東京株式市場で日経平均株価は反発しました。
朝方はソフトバンクグループ(SBG)の急落を受けて一時300円を超える下げとなりましたが、その後は好業績銘柄への買いが広がり、次第に下げ幅を縮小しました。
電子部品株や製薬株などが相場を支え、午前終値は前日比84円高で取引を終えています。
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国内株概況(寄り付き)

寄り付き直後の日経平均株価は前日比180円安の5万0600円台後半でスタートしました。
前日の米株高を受け、当初は買いが優勢でしたが、決算発表後のソフトバンクグループ(SBG)が寄り付き直後に急落。これに引きずられる形で、日経平均は下げに転じました。
SBGが一時10%安まで売られる局面では、日経平均も300円超の下落を記録しています。
一方で、ファーストリテイリングやトヨタ自動車などの主力株に押し目買いが入り、徐々に値を戻す動きが見られました。
SBG決算の影響
SBGは11日に2025年4〜9月期の連結決算(国際会計基準)を発表しました。純利益は前年同期比2.4倍の2兆8300億円と、過去最高を更新しています。
AI関連企業への投資を行うビジョン・ファンド事業が好調で、収益を押し上げました。
また、株式分割も併せて発表しましたが、市場では「好材料が出尽くした」との見方が優勢となり、短期的な利益確定売りが先行しました。

寄り付き後は大幅安となりましたが、午前後半には下げ幅を6%程度まで縮小しています。
国内株概況(10時時点)
午前10時時点では、日経平均株価が前日比110円高の5万0900円台後半へと回復しました。
SBGの下げが一服したことに加え、TDKや日東電工など電子部品株が上昇し、相場の下支えとなりました。
AI・半導体関連ではフジクラが上昇へ転じ、投資家心理の改善を促しています。
一方で、アドバンテストや東京エレクトロン(東エレク)、ディスコは軟調で、半導体関連株の調整は続いています。
国内株概況(前引け)
午前の東京株式市場では、日経平均株価が反発し、前引けは前日比84円36銭(0.17%)高の5万0927円29銭となりました。
決算シーズンの終盤に入り、好業績を示した銘柄に買いが集まりました。とくにTDKやソニーグループ(ソニーG)は決算内容が好感され、再び買いが入っています。フジクラも朝方の下げから一転し、上昇に転じました。
最高値圏からの調整を経て、投資余力を残していた海外勢による買いも相場を支えています。一方、SBGは前場を通じて売り優勢が続きました。
過去最高益を発表したものの、「材料出尽くし」との見方が広がり、前引け時点では6%安です。また、アドバンテストや東エレク、ディスコなどの半導体関連も軟調でした。
米国市場の動向

11日の米株式市場では、政府機関の再開を巡る進展を背景に、ダウ工業株30種平均が上昇しました。前日比187ドル(+0.4%)高の4万7371ドルと、2週間ぶりに最高値を更新しています。
一方で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.47%安と下落し、AI関連やハイテク株の一角に利益確定の動きが出ました。
この流れが東京市場にも波及し、半導体関連株の上値を重くしています。
為替・金利動向
東京外国為替市場では、円相場が1ドル=153円40〜50銭台で推移しました。
米長期金利が小幅に低下しており、為替は落ち着いた値動きを見せています。
円安基調が続いているため、輸出関連株には支援材料となりました。
国内の10年国債利回りは0.87%と前日から横ばいでした。
前場の市場統計と主な銘柄
前引け時点の東証プライム市場では、売買代金が概算で3兆4385億円、売買高は14億5964万株でした。
値上がり銘柄数は1354(全体の約84%)にのぼり、値下がりは228、横ばいは29銘柄でした。
中外製薬、日東電工、味の素、ネクソンが上昇する一方、リクルートホールディングス、良品計画、鹿島建設などは下落しました。
東証株価指数(TOPIX)は33.93ポイント(1.02%)高の3355.51と続伸し、10月31日の最高値を上回っています。
市場分析
好業績銘柄に資金が戻り始めており、業種間の選別が明確になってきました。
AI・半導体関連株には依然として調整の動きが見られますが、市場全体としては高値圏を維持しています。
投資家の間では「決算発表を通じて業績の底堅さが確認された銘柄を中心に買いが入り、SBGなど一部の下落を吸収している」との声が多く聞かれます。
為替が安定していることも、輸出関連株への安心感を強めています。
今後の焦点は海外勢の資金動向と、米国の金利政策の行方に移りつつあります。
まとめ
きょうの東京市場は、ソフトバンクGの急落が相場の波乱要因となったものの、他の好業績銘柄が下支えする形となりました。
AIや半導体関連の一服感が残る一方で、電子部品、医薬品、食品といった安定成長セクターには新たな資金が流入しています。
米国株式市場の上昇基調が続くなかで、国内投資家の買い意欲も衰えていません。
決算シーズンの山場を通過し、相場は次の成長テーマを模索する段階に入ったといえるでしょう。






