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9日の東京市場は小幅な値動きとなりました。日経平均は主力株に売りが出る一方、半導体関連が相場を下支えしています。FOMCの結果発表を前に、市場は慎重な姿勢を崩していません。
東京株式市場の状況(2025年12月9日 前場)

9日前場の東京株式市場で日経平均株価は小幅安となり、前日比20円ほど安い5万0500円台後半で推移しています。この日は午前に上下の振れがあり、寄り付き直後は上げ幅が200円近くに達する場面もありました。
一方で、ファストリが1銘柄で日経平均を60円あまり押し下げる要因となり、指数の重荷になりました。
持ち高調整の売りが散見され、FOMC前らしい落ち着いた値動きです。
東証プライムの10時時点の売買代金は概算1兆5187億円、売買高は7億2836万株でした。
米国市場の影響

8日の米株式市場では、主要半導体株で構成するSOX指数が約1カ月ぶりに最高値を更新しました。
特にエヌビディアは1.72%高。
米商務省がAI半導体「H200」の対中国出荷を近く許可するという報道があり、買い材料となりました。
追加利下げが確実視される12月FOMCは日本時間11日早朝発表です。
市場は利下げは織り込みつつも、来年の利下げペース鈍化への警戒感が残り、米金利は小幅に上昇しました。
東京市場の動き
FOMCを控え、主力株には調整売りが出ています。半面、半導体関連は堅調で相場を支えました。
上昇:東エレク、ディスコ、レーザーテク、ファナック、安川電、イビデン、ソニーG
下落:ファストリ、TDK、信越化、任天堂、コナミG、バンナムHD、アドテスト、フジクラ
半導体関連に資金が向かう一方、値がさ消費関連やゲーム株には利益確定売りが出ました。
為替市場の動向
9日早朝の東京外国為替市場で円相場は下落しました。
8時30分時点:1ドル=155円89〜91銭(前日比54銭の円安)
米金利の上昇を受け、ドル買いが優勢となっています。
FOMCを前に来年の利下げペースが鈍化するとの見方が強まり、米10年債利回りは4.16%(+0.03%)となりました。
円はユーロでも下落し、1ユーロ=181円43〜46銭(前日比32銭円安)です。
個別銘柄の動き
値動きが大きかった銘柄をまとめます。
- ファストリ:指数を60円押し下げる形で下落
- 東エレク、ディスコ、レーザーテク:SOX上昇を受け買い先行
- ファナック、安川電、イビデン、ソニーG:堅調
- 任天堂、コナミG、バンナムHD:ゲーム関連が軟調
- アドテスト、フジクラ、TDK、信越化:弱含み
人気のテーマ
| テーマ | 背景(2025/12/9時点) |
|---|---|
| 半導体 | SOX最高値更新、エヌビディアH200出荷報道が追い風 |
| AI関連 | FOMC前でも買いが入りやすい構造 |
| 円安メリット | 為替155円台で製造業に追い風 |
| ゲーム | 任天堂などに調整売り |
| 医薬品 | 第一三共・塩野義などが買われた |
注目銘柄
| 銘柄 | コメント |
|---|---|
| 東エレク | 半導体セクターの中心。SOX上昇の恩恵大 |
| ディスコ | 業績期待が堅く、朝から買い優勢 |
| ファナック | 中国指標改善期待で強含み |
| 安川電機 | 産業ロボ需要の底堅さが評価 |
| レーザーテク | 装置投資の動向が追い風に |
今日の主要経済ニュース
- 日本:11月マネーストックM2(前年同月比)1.6%(前回1.8%)
- 英国:11月BRC小売売上高 1.2%(予想2.5%)
- 豪州:NAB企業景況感指数 7(前回9)
- 独:10月貿易収支 153億ユーロ(前回152億ユーロ)
- 南ア:消費者信頼感指数 -13
- メキシコ:11月CPI(前年比)3.57%(予想3.69%)
※FOMCは本日1日目(結果は日本時間11日早朝)
まとめ
日経平均はファストリの下落が重荷となり小幅安で推移しました。一方、半導体関連は堅調で相場を支えています。FOMCを控え、市場は様子見ムードが広がっています。





