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東京市場は円安が進んだことで輸出関連株が買われ、日経平均は朝方に一時400円を超える上昇となりました。もっとも、米金融政策を見極めたい投資家が増え、10時には上げ幅を急速に縮小しています。
東京株式市場の状況

10日前場の東京株式市場で、日経平均株価は続伸で始まりました。寄り付き直後に前日比350円高の5万1000円近辺まで上昇し、その後も先物主導で買いが入り一時400円超高となりました。
背景には為替市場での円安進行(1ドル=156円後半〜157円に迫る水準)があり、トヨタやホンダなど輸出関連に買いが集まりました。
ただし、米FOMCを控えて様子見姿勢も強く、10時には前日比30円高の5万0600円台後半まで上げ幅を縮めています。
為替が大きく動く局面では、短期の資金が先物に入りやすい傾向があります。値幅が出ている一方で、実需の買いが追随しにくい状況にも見えます。
米国市場の影響

前日の米株式市場では
- ダウ平均:下落
- ナスダック:小幅高
という動きで、日本株の上値を押し上げる材料にはなりませんでした。
米雇用指標(JOLTS)が強めだったことで米長期金利は4.19%まで上昇し、2026年の利下げペースが鈍るとの観測が広がりました。この金利上昇がドル買いにつながり、日本株には為替面で追い風となっています。
東京市場の動き
朝方は海外短期筋による株価指数先物の買いが主導し、日経平均は一本調子で上昇しました。しかし、
- FOMCを11日未明に控える
- 追随買いが広がらない
という理由で、10時にかけて上げ幅は急減。
TOPIXも上昇し、取引時間中の最高値を上回る場面がありました。
10時時点の東証プライム市場の概算は
- 売買代金:1兆7427億円
- 売買高:7億8384万株
為替市場の動向
10日早朝の東京外国為替市場では円安が進み、1ドル=156円85〜87銭(前日比66銭の円安)となりました。
背景としては、
- 米JOLTSが市場予想を上回る
- 2026年の利下げペース鈍化観測
- 米長期金利上昇(10年債 4.19%)
が挙げられます。
また植田日銀総裁が、「期待インフレ率が著しく高い」「物価2%目標に近づいている」と発言し、市場では来週の利上げ観測が強まっています。
ただしその後の金融緩和寄りの発言もあり、円買いにはつながっていません。
円は対ユーロでも下落し、1ユーロ=182円34〜38銭と、1999年以降の最安値圏にあります。
個別銘柄の動き
《上昇》
- ソフトバンクグループ(SBG)
- アドバンテスト(寄り付き時点)
- 東京エレクトロン
- TDK
- 日東電工
《下落》
- コナミグループ
- 塩野義製薬
- 任天堂
- 中外製薬
人気のテーマ
| テーマ | 背景 |
|---|---|
| 自動車 | 円安進行で業績押し上げ期待 |
| 半導体 | ナスダック小幅高に連動し堅調 |
| AI関連 | 需給改善で買い戻し |
| ゲーム | 任天堂やコナミが軟調 |
| 製薬 | 塩野義・中外が売られる展開 |
注目銘柄
| 銘柄 | ポイント |
|---|---|
| トヨタ | 円安を背景に輸出採算改善期待 |
| ホンダ | 同じく円安を追い風に買い継続 |
| SBG | 先物主導の上昇相場で買いが入る |
| アドテスト | 高寄り後に弱含む場面 |
| 任天堂 | ゲーム株の中で軟調 |
今日の主要経済ニュース
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 米JOLTS | 9月 765.8万件、10月 767万件(市場予想超え) |
| 米10年債利回り | 一時 4.19% に上昇 |
| FOMC | 11日未明に結果発表予定 |
| 為替 | ドル円 156円85銭前後、ユーロ円 182円34銭前後 |
| 日銀動向 | 植田総裁が期待インフレ率上昇に言及、来週利上げ観測が強まる |
| 日本・国内企業物価指数(前月比) | 11月 0.3%(予想0.3%、前回0.4%→0.5%に修正) |
| 日本・国内企業物価指数(前年比) | 11月 2.7%(予想2.7%、前回2.7%) |
| 中国・CPI(前年比) | 11月結果未発表(予想0.7%、前回0.2%) |
| 中国・PPI(前年比) | 11月結果未発表(予想-2.0%、前回-2.1%) |
| トルコ・鉱工業生産(前月比) | 10月結果未発表(前回-2.2%) |
| ECB・ラガルド総裁 発言 | 予定(詳細は未発表) |
| 南ア・小売売上高(前年比) | 10月結果未発表(予想2.3%、前回3.1%) |
| 米MBA住宅ローン申請指数 | 結果未発表(前回-1.4%) |
| 米・四半期雇用コスト指数(前期比) | 予想0.9%、前回0.9%(7-9月期) |
| カナダ銀行 政策金利 | 予想2.25%、前回2.25%(発表前) |
| 米FOMC政策金利 | 予想3.50〜3.75%、前回3.75〜4.00%(28時発表予定) |
| 米・月次財政収支 | 11月 予想-2050億ドル、前回-2844億ドル |
| パウエルFRB議長 記者会見 | 28時30分開始予定 |
まとめ
朝方は円安と先物買いが重なり、日経平均は5万1000円台を回復しました。その後はFOMCを控えた様子見から上げ幅が縮小しています。輸出株はしっかりしているものの、半導体、ゲーム、製薬など業種ごとに強弱が分かれています。






