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4月1日前場の東京株式市場は、前日までの急落局面から一転し、大きく切り返しました。中東情勢をめぐって米国とイランの軍事衝突が早期に終結へ向かうとの見方が広がり、前日の米国株が急反発。
東京市場でも半導体や値がさ株を中心に買い戻しが広がりました。もっとも、原油価格はなお高く、相場が完全に落ち着いたとは言い切れません。前場の上昇の中身を整理します。
東京株式市場の状況(2026年4月1日 前引け時点)

前場の日経平均は、寄り付き直後から買いが先行しました。上げ幅は一時2200円を超え、5万3000円台に乗せる場面もありました。前引けは5万3128円33銭で、上昇率は4.04%です。TOPIXは前日比132.43ポイント高の3630.29、上昇率は3.79%でした。
東証プライム市場では値上がり銘柄が1504と全体の約95%を占め、ほぼ全面高の展開でした。売買代金は前引け時点で概算3兆3729億円、売買高は10億9153万株と膨らみました。単なる小幅反発ではなく、かなり強い買い戻しが入った前場だったといえます。
前日まで4日続落していたこともあり、売られすぎを意識した短期資金が入りやすい地合いでもありました。寄り付きから指数寄与度の高い銘柄が一斉に切り返し、相場全体を押し上げる形になりました。
米国市場の影響

前日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が1125ドル高と急反発しました。S&P500種株価指数は2.9%高、ナスダック総合株価指数は3.8%高でした。市場では、米国がイランへの軍事行動を長引かせない可能性が意識され、過度なリスク回避がいったん後退しました。
トランプ米大統領は3月31日、対イラン軍事作戦について「2〜3週間」で終えられる可能性があると述べました。イラン側からも、一定の条件が満たされれば戦闘終結に向けた意思があると伝わっています。こうした報道が、世界の株式市場に買い戻しを呼び込むきっかけになりました。
ただし、安心一色ではありません。原油価格はなお高止まりしており、中東情勢の不透明感が完全に消えたわけではないからです。相場が急反発している時ほど、株高と原油高が同時に進む不安定な構図には注意が必要です。

前日の米国株高が、そのまま東京市場の追い風になった前場でした。ただ、今回の戻りは「不安がなくなったから買われた」というより、「最悪シナリオが少し後退したため売られすぎが修正された」と見るほうが自然です。
東京市場の動き
東京市場では、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、ファーストリテイリングなど、指数への影響が大きい値がさ株が前場の上昇を主導しました。フジクラやキオクシアなど、半導体やデータセンター関連として注目されやすい銘柄にも資金が向かいました。
東証プライムの9割超が上昇したように、個別の材料よりも「地合い改善による全面高」の色が濃い相場でした。3月は日経平均が月間で7000円超下落していたため、ショートカバーと押し目買いが同時に入りやすかったとみられます。
一方で、KDDI、ネクソン、商船三井、NTTなどは軟調でした。原油高の恩恵を受けやすいはずの資源関連でも、INPEXは寄り付き段階では弱含みでした。これは「戦闘終結期待によるリスクオン」と「原油高継続」という二つの材料が市場内でせめぎ合っているためです。
値動きが荒い局面では、個人投資家のあいだでも情報の質を高めるために株情報サイトや投資ツールを併用する人が増えています。指数だけでなく、どの業種に資金が入っているのかまで追えると、相場の見え方はかなり変わります。
為替市場の動向
1日午前の東京外国為替市場では、円相場は上昇しました。12時時点では1ドル=158円74〜76銭と、前日17時時点と比べて88銭の円高・ドル安でした。一時は158円40銭台まで円高が進みました。
背景にあるのは、有事の局面で積み上がっていたドル買いの巻き戻しです。米国とイランの戦闘が早期に収束するとの見方が広がり、投資家が安全資産として保有していたドルをいったん手放す動きが出ました。
ただ、円高の勢いも一方通行ではありません。WTI原油先物は1バレル100ドル台にあり、日本の輸入負担増への懸念が残っています。10時前の仲値に向けた実需のドル買いも入り、円の上値を抑えました。ユーロ円は183円55〜58銭近辺で推移しました。
個別銘柄の動き
| 銘柄 | 動き | ポイント |
|---|---|---|
| アドバンテスト | 上昇 | 前日の米ハイテク株高を受け、半導体関連の主力として買い戻しが先行しました。 |
| ソフトバンクグループ | 上昇 | 地合い改善で値がさ株に資金が入り、指数押し上げに寄与しました。 |
| 東京エレクトロン | 上昇 | 半導体製造装置株への買い戻しが強く、前場の中心銘柄になりました。 |
| フジクラ | 上昇 | 電線・データセンター関連として物色され、上昇が目立ちました。 |
| KDDI | 下落 | 市場全体が大きく戻すなかでも、ディフェンシブ性の高い銘柄には利益確定売りが出ました。 |
人気のテーマ
| テーマ | 見られた動き | 前場の見方 |
|---|---|---|
| 半導体 | 強い | アドバンテスト、東京エレクトロンなど主力株に買い戻しが集中しました。 |
| 電線・データセンター | 強い | フジクラなどが物色され、リスクオン時の成長期待テーマとして目立ちました。 |
| 銀行 | しっかり | アジア株高と相場全体の改善を背景に、金融株にも買いが波及しました。 |
| 内需・消費 | 堅調 | ファーストリテイリングなど指数寄与度の高い銘柄が支えました。 |
| 資源・エネルギー | まちまち | 原油高は追い風ですが、戦闘終結期待との綱引きで方向感は割れました。 |
注目銘柄
| 銘柄 | 注目理由 | 前場の位置づけ |
|---|---|---|
| アドバンテスト | 半導体株の象徴的存在 | 日経平均の戻りをけん引した主役の一角です。 |
| ソフトバンクグループ | 値がさ株として指数寄与度が大きい | 買い戻し局面で資金が集まりやすい銘柄です。 |
| 東京エレクトロン | 米ハイテク株高の恩恵を受けやすい | 半導体関連全体の強さを映しました。 |
| フジクラ | データセンター関連として物色 | 成長テーマ物色の強さを示しました。 |
| KDDI | 逆行安が目立つ | 全面高のなかで資金の逃げ先が減ったことを映しています。 |
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今日の主要経済ニュース
| 時間 | 項目 | 内容 | 市場への見方 |
|---|---|---|---|
| 08:50 | 日銀短観(大企業・製造業DI) | 17(予想16、前回15) | 企業景況感が想定より底堅く、株式市場の安心材料になりました。 |
| 08:50 | 日銀短観(大企業・非製造業DI) | 36(前回34) | 内需の底堅さを確認する内容でした。 |
| 10:45 | 中国3月PMI | 50.8(予想51.5、前回52.1) | 景況感は拡大圏を維持しましたが、勢いはやや鈍化しました。 |
| 21:15 | 米ADP雇用統計 | 予想4.0万人 | 今晩の米景気見通しを左右する材料です。 |
| 23:00 | 米ISM製造業景況指数 | 予想52.3 | 米景気と金利観測を通じて、今夜の株式市場に影響しやすい指標です。 |

この日の前場は、中東情勢の緩和期待が主役でしたが、実は日銀短観の堅調さも見逃せません。外部環境が揺れても、日本企業の景況感が急には崩れていない点は、相場の下支え材料として意識されやすいところです。
まとめ
4月1日前場の東京市場は、前日までの急落に対する反動と、中東戦闘の終結観測を背景に大幅反発しました。日経平均は前引けで5万3128円33銭まで戻し、上げ幅は2000円を超えました。市場全体ではほぼ全面高となり、投資家心理の改善がはっきり見て取れる前場でした。
一方で、原油価格はなお100ドル台にあり、地政学リスクが完全に消えたわけではありません。きょうの上昇は強いですが、まだ不安材料を抱えたままの戻り局面でもあります。後場以降は、5万3000円台を維持できるか、原油と為替が落ち着くかが次の焦点になります。





