
目次

5月28日の東京株式市場は、前日の大激戦の余韻を残したまま、朝方から極めてボラティリティの大きい展開となりました。前日の米株式市場で主要な半導体株指数が下落した流れに加え、米軍によるイラン軍事施設への攻撃を巡る報道という新たな地政学リスクが浮上し、日経平均株価は朝方に一時500円を超える急落を記録。
しかし、その後は下値での買い遅れ投資家による強烈な買い意欲が発揮され、一時はプラス圏を奪い返す猛烈な引き戻しをみせています。今夜に米国の重要指標の発表を控えるなか、緊迫する国際情勢と底堅い買い需要が交錯した前場の動きを詳しく振り返ります。
東京株式市場の状況(2026年5月28日前場)

米半導体株安と中東緊迫化で500円安発進も、先物主導の押し目買いで一時160円超高へ反転
28日午前の東京株式市場で日経平均株価は激しく乱高下しました。前日比反落して始まった朝方は、売りが先行して一時500円あまり安い6万4500円近辺まで売り込まれる場面がありました。
前日の米株式市場では主要指数が上昇した一方、米エヌビディアやソフトバンクグループ傘下の英アーム・ホールディングスなどが下落。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数が下落した流れが東京市場の重荷となりました。
さらに日本時間朝方、米軍がイランの軍事施設などで新たな攻撃を実施したとの報道が流れると、中東の戦闘終結交渉への不透明感が再び広がったことも投資家心理を冷やしました。
しかし、下値では「買い遅れている投資家は多く、下落した場面での買い意欲は強い」という指摘の通り、10時ごろにかけて海外勢とみられる日経平均先物への断続的な買いが膨らむと相場は急反転。前日比160円あまり高い6万5100円台後半まで買い進められるなど、強固な下値支持力を示すドラマチックな展開となっています。
今夜21時半には米国の4月PCEデフレーターや1-3月期GDP改定値など、今後のFRBの利下げ見通しに影響し得る経済指標の発表が一斉に控えていることもあり、売り一巡後は売り急ぐ動きも限定的となりました。
前場中ごろ(10時現在)の東証プライムの売買代金は概算で2兆8395億円、売買高は6億8901万株と、本日も活発な大商いが続いています。なお、東証株価指数は続落しています。
半導体主力株が総じて軟調な一方、需給逼迫の「MLCC」関連など電子部品株へ資金がシフト
個別銘柄では、直近の相場を牽引してきた人工知能(AI)・半導体関連株への利益確定売りが継続しました。
ソフトバンクグループ(9984)やアドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)、レーザーテック(6920)、キオクシアホールディングス(285A)が総じて安く推移したほか、ソニーグループ(6758)やファナック(6954)、フジクラ(5803)も下落しました。
一方、本日の主役に躍り出たのが電子部品セクターです。AIサーバー向けに需要が急拡大し、足元で需給が逼迫している積層セラミックコンデンサー(MLCC)を手がける太陽誘電(6976)や村田製作所(6981)が堅調に推移。
半導体株に代わる物色の矛先として資金が流入し、TDK(6762)や京セラ(6971)、富士フイルム(4901)も高くなっています。また、指数寄与度の高いファーストリテイリング(9983)やトヨタ自動車(7203)、イビデン(4062)も上昇して日経平均を支えました。
外為市場の動き:中東緊迫報道で一時159円60銭近辺の安値、今夜の米PCE・GDPを控え後半は膠着か
外国為替市場で円相場は、売りがやや優勢となりドル高・円安水準へ振れました。
10時時点は1ドル=159円56〜57銭近辺と、前日夕方に比べ21銭の円安水準で推移。米軍によるイラン軍事施設への攻撃を巡る報道を受け、ニューヨーク原油先物相場が上昇したことで、日本の貿易収支悪化への懸念から円売り・ドル買いが入りやすく、10時前の中値決済に向けては国内輸入企業の実需のドル買いも観測されました。
円は一時159円60銭近辺と、4月30日以来の安値を付ける場面がありましたが、政府・日銀による為替介入への警戒感が下値を支えています。また、今夜21時半に米国のインフレ動向を占う上で注目される「4月PCEコア・デフレーター」や「1-3月期GDP改定値」などの発表を控えているため、実需の取引一巡後は徐々に様子見ムードが強まる見通しです。

朝方に500円超も急落したときは中東情勢を巡る報道も相まって冷や汗が出ましたが、そこから一気にプラス圏へと突き上げる押し目買いのパワーには目を見張るものがありますね!
25日に終値で初の6万5000円台に乗せて以降、上値での利益確定売りは出やすいものの、ここでの調整を待ち望んでいた「買い遅れ投資家」の買い需要がいかに強烈であるかが証明された形です。物色の流れを見ても、これまで主役だった半導体株から、需給逼迫が意識される太陽誘電や村田製作所といった「MLCC」へと矛先がシフトしているのが非常に興味深いポイントです。
今夜21時半には、米国のPCEデフレーターやGDP改定値、新規失業保険申請件数など、今後のFRBの利下げ見通しを占う重要指標が一斉に控えています。前場のこの引き戻しを経て、市場が今夜の米指標をどう迎え撃つのか、後半の動きからも目が離せませんね。
人気のテーマ
| 順位 | テーマ名 | 概況 |
|---|---|---|
| 1 | 一時500円安からのプラス圏浮上(乱高下) | 米半導体株安で急反落して始まるも、先物への断続的な買いで160円超高へ劇的反転 |
| 2 | 米軍によるイラン軍事施設への攻撃を巡る報道 | 中東の緊張再燃に不透明感が広がり、原油高を通じて為替市場などの重荷に |
| 3 | 今夜控える米重要指標(PCE・GDP)への意識 | インフレ動向などを占う指標発表を前に、売り一巡後は様子見ムードも交錯 |
| 4 | 需給逼迫を材料に「MLCC(電子部品)」株急騰 | AIサーバー向け需要が旺盛な太陽誘電や村田製に資金が流入、半導体に代わる主役に |
| 5 | 円相場が一時159円60銭近辺へ下落 | 原油高思惑や実需の中値ドル買いから約1ヶ月ぶりの円安水準。介入警戒感も継続 |
注目銘柄
| 銘柄名(コード) | 特徴 | 28日前場の動き |
|---|---|---|
| 太陽誘電(6976) | 電子部品大手、MLCCに強み | 足元のMLCC需給逼迫を背景に、半導体株からの資金シフトの受け皿となり堅調に推移 |
| ソフトバンクグループ(9984) | 戦略的投資会社、AI関連の主力銘柄 | 傘下アーム株の下落や米半導体株安の流れを受け、前日に続き売りが先行し軟調 |
| ファーストリテイリング(9983) | 衣料品「ユニクロ」展開、指数寄与度大 | 全体が下値を探る朝方の局面から底堅く推移し、日経平均のプラス圏浮上を牽引 |
| 村田製作所(6981) | 電子部品世界大手、MLCC首位 | AIサーバー向けコンデンサーの需要期待から買いを集め、前場中ごろの上昇基調を支える |
| 東京エレクトロン(8035) | 半導体製造装置世界大手 | 米SOX指数下落やエヌビディア安を嫌気し、アドテストなどとともに下落を余儀なくされる |
「太陽誘電(6976)」や「ソフトバンクグループ(9984)」のような大型株も魅力的ですが、個人投資家が大きな利益を狙うなら、「次に資金が流入する中小型株」の先回りが欠かせません。
独自の調査網を持つプロの投資顧問なら、一般には出回らない「材料株」の情報も網羅しています。
実際に検証してわかった、信頼できるサイトのみをランキング形式で公開中です。
28日前場の主要経済ニュースと指標
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日経平均、前場に500円安から一時160円高へ | 朝方は米半導体株安で売りが先行するも、海外勢とみられる先物買いで一時6万5100円台へ急反転 |
| 米軍がイラン軍事施設を攻撃との報道 | ロイター通信などが報道。商業船舶への脅威を理由とした攻撃とされ、緊張再燃への懸念広がる |
| 今夜21:30、米国の重要経済指標が一斉発表へ | 米4月PCEデフレーター(予想前年比3.8%)、1-3月期GDP改定値(予想2.0%)などが控える |
| 円相場、一時1ドル=159円60銭近辺へ下落 | 中東緊迫懸念による原油高への警戒や実需のドル買い優勢から、4月30日以来の安値水準を記録 |
まとめ
5月28日前場の東京株式市場は、日経平均株価が一時500円を超える急落から一転してプラス圏へと急浮上する、極めてドラマチックな乱高下となりました。
米半導体株安や米軍によるイラン軍事施設への攻撃を巡る報道といった逆風を受け、朝方は6万4500円近辺まで売り込まれたものの、底堅い押し目買い需要を背景に先物主導で160円あまり高い6万5100円台後半まで買い進められました。
直近の牽引役だったソフトバンクグループなど半導体株が調整する一方、需給逼迫が意識される太陽誘電や村田製作所などのMLCC株へと物色の矛先がシフトしており、市場のエネルギーの高さを示しています。
今夜21時半には今後のFRBの政策判断に影響し得る米PCEデフレーターやGDP改定値などの発表が控えており、地政学リスクと押し目買いが激突した後場の動きに注目です。




