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佐藤 真理子 (運営者責任者)です。 金融業界出身。これまでに200社以上の投資顧問・株情報サイトを検証し、体験に基づく中立的なレビューを発信しています。
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FacebookやInstagramなどのSNSを見ていると、著名人の名前や写真が使われた投資詐欺広告を見かける機会が、以前より増えています。
一見すると、ニュース記事を引用したような体裁だったり、「実際に成果が出た」といったコメントが並んでいたりと、見た目だけでは、詐欺広告だと判断しにくいものも多いです。
なぜなら著名人の画像をニュース風に利用することで
- 有名な人が紹介しているなら大丈夫そう
- ニュースで取り上げられているなら安心かもしれない
と感じさせ、冷静な判断がしづらくなってしまうからです。
実際、警察や関係機関も、SNSをきっかけとした投資詐欺に対して注意を呼びかけていますが、被害は現在も増加しています。
そこでこの記事では、SNSで見かける著名人を使った投資広告について、見分けるために押さえておきたいポイントを解説します。

綿密に作られた広告に流されないために、どのような手口が使われているのかを確認していきましょう。
近年、株式投資の世界では「AIを使う人」と「使わない人」で、5年後に最大1.8倍の資産形成の差が出ています。
すでに多くの個人投資家が、AIを前提に投資判断を行う時代に入っているのです。
この流れに乗り遅れ、気づかないうちに機会損失を重ねないためにも、いま主流となっている投資スタイルを一度確認してみてください。
SNSで見かける「著名人が登場する投資広告」

引用元:Facebook広告より
※勘違い防止のためモザイクをかけています。
著名人が投資を勧めているように見せている
芸能人や著名投資家、経済評論家などの名前や写真が使われ、あたかも本人が投資を勧めているかのように見せている広告が増えています。
投稿の形式も、いかにも広告らしいものだけでなく、ニュース記事を引用したような見た目や、第三者が解説している体裁で作られているケースもあります。
このような巧妙な手口によって、著名人が投資を勧めていると信用してしまうのです。

それでは、具体的にどんな著名人が名前や画像を無断で利用されているのでしょうか。
名前や写真が無断で使われている著名人
実際、SNS上の投資詐欺広告やニュース風ページで、名前や画像が、第三者によって無断で使われた著名人の例が、こちらです。
- 前澤友作
- 堀江貴文
- テスタ
- 池上彰
- 森永卓郎
- 馬渕磨理子
- 成田悠輔
- ひろゆき
- GACKT
- 孫正義

これもほんの一部です。他にも多くの著名人が勝手に名前や画像を詐欺広告に利用されています。
著名人の名前が出ていても、投資判断の根拠にはならない
こうした広告では、「有名な人が紹介しているなら安心そうだ」「この人が言っているなら信頼できるかもしれない」と感じやすくなります。
ただし、名前や写真が使われていることは、投資内容の信頼性を裏付けるものではありません。
SNS広告は、誰でも見た目を整えたページを作れるため、雰囲気や演出だけで判断してしまうと、詐欺広告に騙されてしまう可能性も高まります。
だからこそ、
「誰が、どの立場で、この投資話を紹介しているのか」
「その情報は、本人の公式な発信と一致しているのか」
を一度立ち止まって確認することが大切です。
なぜ、こうした広告が信じられてしまうのか
著名人を使った投資広告は、「投資に慣れていない人だけの問題」と考えられがちですが、実際はそう単純ではありません。
むしろ、普段からニュースや投資情報に触れている人ほど、広告の内容を自然に受け入れてしまい、詐欺広告に騙されてしまう方も多いです。

なぜ多くの人が詐欺広告を信じ、騙されてしまうのでしょうか。その理由は、詐欺広告には判断を誤らせやすい作りが使われているからです。
知っている名前が判断を早めてしまう
テレビや書籍、SNSなどで何度も目にしてきた人物の名前が出てくると、「この人の話なら筋が通っていそうだ」と感じやすくなります。内容を細かく確認する前に、無意識のうちに信頼してしまうのは、人の心理として珍しいことではありません。
ニュースのような見せ方が安心感を生む
広告でありながら、ニュース記事を引用したような構成や、第三者が解説しているような文体で書かれていると、「誰かが客観的に評価した情報なのではないか」と受け取りやすくなります。
急がされる流れが比較を難しくする
さらに、「今だけ」「すでに多くの人が参加している」といった表現が重なることで、考える時間が削られ、他の情報と比較する前に判断してしまうことがあります。こうした流れでは、落ち着いて内容を見直す余裕が持ちにくくなります。
信じてしまうこと自体が特別おかしいわけではない
ここで押さえておきたいのは、広告を信じてしまうこと自体が、特別に判断力が低いから起きるわけではない、という点です。
冒頭でもお伝えしたように、こうした広告は、人が判断を早めやすい巧妙な手口を意図的に組み合わせて作られています。
だからこそ、「油断していると騙される」と考えるよりも、仕組みとして、騙すために作られていると捉えたほうが詐欺広告を見たときに冷静に判断できるようになります。

冷静さを失ってしまったときに人は騙されてしまうということです。
詐欺広告をクリックしたらどうなる?
著名人を使った投資詐欺広告をクリックすると、多くの場合、すぐに申込み画面や入金案内が表示されるわけではありません。多くの場合、最初に表示されるのは、落ち着いた説明文で構成されたページです。
最初は記事や解説ページのような画面が表示される
広告のリンク先として表示されるのは、ニュース記事や解説ページのように作られたサイトであることが多く、「本人が投資を始めた理由」「短期間で成果が出た経緯」「周囲の反応」といったストーリーがもっともらしく紹介されます。
見た目や構成が整っているため、広告というよりも、情報記事を読んでいる感覚になりやすいのが特徴です。
ページの後半になるほど、行動を促す表現が増えていく
ページを読み進めるにつれて、投資の仕組みやリスクといった具体的な説明は少なくなり、「特別に案内している」「今参加できるのは限られた人だけ」といった言葉が目立つようになります。
この段階では、投資内容そのものよりも、「今動くかどうか」という判断が前に出てきやすくなります。
LINE追加や個別連絡へ誘導されるケースが多い
最終的な案内先として多いのが、LINEの友だち追加や外部フォームへの登録です。登録後は、担当者やサポートを名乗る相手から個別に連絡が入り、やり取りが始まります。
質問に丁寧に答えてくれたり、親身な対応をされたりすると、「しっかり対応してくれている」と感じやすくなります。
丁寧な対応と、投資としての妥当性は別
ただし、ここで注意したいのは、対応が丁寧かどうかと、投資として妥当かどうかは別という点です。
本来、投資を判断するには、どのような仕組みで利益を狙うのか、どのようなリスクがあるのか、費用や条件はどうなっているのかといった情報が、事前に分かる必要があります。
ところが、広告経由の流れでは、こうした説明が後回しにされたまま、「まず登録」「まず参加」という行動だけが先に求められがちです。
判断の根拠が曖昧なまま話が進みやすい
気づかないうちに、何を根拠に判断しているのか分からない状態で話が進んでしまう点が、SNSをきっかけとした投資詐欺が成立しやすい理由のひとつです。

流れに身を任せず、どこで判断すべきかを意識できるかどうかが、その後の結果を左右します。
投資サイトを見るときに、必ず確認しておきたい金商登録

まずは金融庁に登録されている正規の事業者かを確認する
株式や暗号資産などの投資について助言を行うサービスは、原則として、国の制度のもとで金商登録を受けた事業者である必要があります。
これは、投資家が不利な立場に置かれないよう、一定のルールと監督を前提に事業が行われる仕組みです。
登録を受けている事業者であれば、運営会社名や登録番号、連絡先などの情報が公開されており、第三者からも確認できる状態になっています。
広告経由のサイトでは、登録状況が見えにくいことがある
一方で、SNS広告やニュース風ページから案内される投資サイトの中には、登録の有無がはっきり分からないまま、投資判断に影響を与える情報提供を行っているケースもあります。
サイト内に運営会社名は書かれていても、登録番号ついての記載がなく、どの制度のもとで運営されているのか判断しづらい例も少なくありません。
投資詐欺広告の事例ではありませんが、実際、過去には「BEST(ベスト)」「四季(SHIKI)」「モーニング」といった名称のサイトについて、無登録の状態で投資助言を行い、金融庁が注意喚起した事例もあります。


投資サービスの利用を検討する際は、「金融庁への登録が確認できるかどうか」は、最低限確認するようにしましょう。
著名人を使った投資広告と、どう距離を取るか
SNSで見かける投資広告に対して大切なのは、「すべて疑う」ことではなく、判断を急がされる流れから一度距離を取ることです。著名人の名前や写真が出てくる広告ほど、安心感と勢いで次の行動に進みやすくなります。
急がされる話ほど、一度立ち止まる
広告ページの後半で、「今だけ」「限定」「すぐに参加」といった言葉が増えてきた場合は注意が必要です。
投資は本来、仕組みやリスク、条件を理解したうえで判断するものですが、急がされる流れでは、その確認が後回しになりやすくなります。
行動を促す圧が強いと感じたときほど、一度ページを閉じて時間を置くことで、冷静さを取り戻しやすくなります。
広告の流れの中で決めない
SNS広告は、あくまで情報の入口にすぎません。その場の流れで登録や申込みを行うのではなく、サービス名や運営元を自分で調べ直すことが重要です。
公式サイトの情報、運営会社の実態、登録状況などを改めて確認することで、広告だけを見ていたときとは違った見え方になることもあります。
比較できる状態を作ってから判断する
投資で後悔しにくい判断をしている人ほど、ひとつの話だけで決めることはありません。複数の選択肢を並べ、条件や仕組みを比べたうえで、自分に合うかどうかを考えています。

著名人を使った広告に触れたときも、「今決めるかどうか」ではなく、「判断材料が揃っているかどうか」という視点で見直すことで、不要なリスクを避けやすくなります。
まとめ|著名人の名前ではなく「投資の中身と運営元」を見る
SNSで見かける著名人を使った投資広告は、見た目や文章の作りが年々分かりにくくなっています。ニュース記事のような体裁や、実在する人物の名前・写真が使われていると、広告だと気づきにくくなるのも無理はありません。
ただし、著名人の名前が出ていることと、その投資が安全かどうかは別の話です。重要なのは、「誰が運営しているサービスなのか」「どのような仕組みで利益をうたっているのか」といった、投資の前提となる情報が、きちんと説明されているかどうかです。
また、SNS広告をきっかけにした投資話では、サービスの仕組みやリスクの説明が十分なまま、「まず登録」「まず参加」といった行動だけを求められる流れになりがちです。
投資は、急いで決めるものではありません。運営元の情報や登録状況を確認し、他のサービスと比べながら判断するだけでも、不要なリスクは大きく減らせます。

SNSで気になる広告を見かけたときは、名前や雰囲気に流されず、「投資の中身」と「運営の実態」を一度確認することを忘れないでください。
急騰銘柄を知りたい人へ 相場が落ち着かない局面では、「どの銘柄を見ればいいのか分からない」「判断が後手に回ってしまう」と感じる投資家も少なくありません。 そうした中で、急な値動きが出ている銘柄をタイムリーに知る手段として、急騰銘柄を知らせてくれるLINEサービス『テンバガーナビ』をチェックしておく人も増えています。 友だち登録をしておくと、無料で高騰する期待値の高い銘柄情報が届く仕組みです。日々の銘柄探しに時間をかけにくい人や、これまで思うような結果が出ていない人にとっては、判断材料を補う一つの選択肢になります。 「今日はどこを見ればいいのか迷う」 そんな日が多い人は、情報源の一つとして登録しておくと、効率的な投資ができるようになるでしょう。 銘柄選びのヒントを得る手段として活用する投資家の方も多いです。






