目次
株式投資をしていて、『相場がここまで下がったのだから、いくらなんでもそろそろ反転するだろう』と考えてしまうことはありませんか?
そして、底値だろうと思って株を買って、さらにズルズルと下がっていった経験はありませんか。
これから紹介するAさんも、そんな失敗をしてしまった一人です。
かなり前の体験談になりますが、現在でも投資に役に立つ内容だということは変わりません。ぜひご参考にしていただけるとうれしいです。
【株の体験談】35歳主婦Aさんの場合
Aさんは今までFX中心で投資してたそうですね!
はい、これまで投資はFX中心でやってきました。調子も良くて、他の投資にも興味を持つようになって。
FXで調子が良かったので、株投資にも興味が出てきたというわけですか。
株投資を始めた矢先に災難でしたね…
やらかしました…(笑)
私が株投資で失敗したのは、アベノミクスで株式市場が盛り上がっていた2015年のことです。
ずばり聞いてしまいますが、どのくらいの損失になってしまったんですか?
こつこつ増やして210万円あった資金が、たったの90万になってしまいました。
…!
120万も失ってしまったんですね。
失敗の原因は底値を見誤ったとのことですが?
底値だと勘違いして、下げの途中で買ってしまいました。
下げ止まりを確認してから、買いに向かうべきだったと後悔しています。
Aさんが目をつけた銘柄はラオックス(8202)ですよね。
ええ、家電量販店です。
2014年頃から訪日中国人の爆買いの追い風もあって、業績は回復して好調な銘柄でした。
ということは、株価も上昇へ向かっていたんですね。
私が目をつけたときは300円ほどの株価でした。
1年足らずの間に1000円以下の水準から急上昇していたので、注目していたんです。
ラオックスはその後も株価が上昇して、2015年夏には550円を超える水準になりましたね。
上がりっぱなしで買うチャンスがなかったんですが、ついに秋口から株価が下落し始めて。
上昇相場から、状況が変わって下がり始めたんですね!
そろそろ買いたくなりますね~
正直、チャンスだと思いました。
毎日値動きをチェックし続けて、10月頭に350円で6000株買い付けました。
さすがに高値から200円も下げていますし、この辺りが底値だと思いましたね。
それが、予想通りにはいかなかったと?
買い付け後も株価は下げ止まらず、株価は150円を割る水準まで落ち込んでしまいました。
底値と思いきや、まだ下げの途中だったんですね…!
350円で買い付けたのに、まさかの150円…。利益が出るどころの話じゃないですよね。
正直あまりにも落ち込んでしまって、やる気も失い、毎日の値動きを恨めしく見つめるだけとなってしまいました。
これだけ下がると、ロスカットも必要な場面ですよね。Aさんはその時の精神状態はどうだったんですか?
ただもう祈る気持ちだけです。上がってくれーって。
この時はロスカットという発想はみじんもありませんでした。なにしろ株価は、私が買い付けたあたりから上昇に転じるとばかりに決めつけていましたから。
底値だと思って買ったのに、まだまだ下げの途中だったなんてショックですよね。
このくらい下がったら損切りする!っていう基準を設けていなかったのも、あだとなりましたね。何もできず、ズルズルとそのままって感じで。
高値から急落したときは、つい買い場と勘違いして「買い」を入れたくなる気持ち、分かります。
そもそも、株価上昇のスピードが速くて、大きな押し目がない時も「買い」を入れにくいものですしね。
今だから分かりますけど、少なくとも、底値を確認するまでは控えるべきでしたね。横ばいから上向いた時とか。
7月の高値圏から急落を始めたときは「カラ売り」のチャンスこそあったと思いますが…。「買い」の局面は当分なかったですね。
下げの途中で買ってはいけないと痛感したAさん。
「ここまで下がればもう底値だろう」というのは、投資家にありがちな心理です。
しかし、下がるときは、底値は見えないものです。
下げの途中で買ってはいけない、下げ止まりを確認してから、買いに向かうべき。こういった場合には、横ばいから上向いたときまで待つべきでした。
『もうはまだなり、まだはもうなり』
株価がこれから「上がるか」「下がるか」を予測するのは難しいものです。
「底値か」と判断したものの、さらに株価が下落するようなことはよくあります。
また反対に「そろそろ天井か」と思って株を売却したら、さらに上昇して悔しい思いをするといったことは珍しくはありません。
株価は投資家の思い通りにはならないものです。
思惑と違っても早期に対応できるように、「天井」「大底」を決めつけることなく相場に臨みたいところですね。